2009年12月29日火曜日

今年もお世話になりました



tt事務局員です。
現音事務局本年の業務が無事終了しました。多くの方々に支えられてのことと感謝致しております。ありがとうございました!
会長をはじめ会員の皆さんが、お酒やお土産を持って、事務局の慰労に来て下さいました。現音の今年最後の事業〈現音・冬の飲食店2009〉です!
頂いたお土産の数々。お店を広げてみると、流石はセンスの良いものばかり。普段は会議が行われているテーブルも、これだけ美味しいものが乗っかればもはや忘年会のちゃぶ台です! 今日だけは役職も忘れて楽しい宴! おっと、無礼講では無かったですが(笑)。そういえば、先日我が家で開催した忘年会ではブレーカーが落ちました(笑)。
上記写真は楽しいひとときを終えての一枚。片付けや掃除までお手伝い頂きました!
2009年も暮れて行きます。そして2010年はいよいよ日本現代音楽協会創立80周年の年を迎えます!
現音ブログをご覧の皆様、良い年末年始をお過ごし下さい。

2009年12月28日月曜日

ホームページ開設の広報に当たって思うこと


こんにちは、作曲家のロクリアン正岡です。
 現代音楽の現状は厳しく、現役作曲という自らの先端を失ったクラシック音楽の将来はさらに厳しいようです。
では、シェーンベルクという調性音楽圏からの脱走犯がいけなかったのか、と言うとそれも違います。
もとはといえば、そのむかし、グレゴリオ聖歌制定時にロクリアン(=ロクリア旋法)を外したのが間違いのもとであった、というのが私の見方です。
 いや、ロクリアン・Mと自ら名乗る私ならではの実存的実感そのものであります。
 もしロクリアンが含まれていたら、全音階は十分な全体性を持ち、転旋の自由も複旋の自由もあって、作曲家たちはそのより広い音のハーモニーの海で今も幸せ(=“シ”合わせ)に泳いでいた、いや作曲していたかもしれないのです。それが、魔女をいじめ黒猫をいじめペストなど流行らせ、シェーンベルクのような脱走犯を生み、現在の日本で「「芸術に大衆性は必要か!?」などという本質を外した議論を作曲家たちにさせているのも、みんなみんなグレゴリオ聖歌制定に関与したおえら方(そのほとんどは西洋坊さんたちだったか)の罪ではないでしょうか。
これぞ、西洋音楽史の原罪!しかも、これまでその罪を誰も舌鋒鋭く指摘した者はいなかったし、トニカのお化け大バッハがもっともらしく罪の痕跡をかき消し、音楽のインフラ整備をやったというか、きれいなアスファルトで敷き詰めてしまったので、(そうそう、それにかのドミナントのお化けのベートーヴェン様が暴走族さながらの走り方をやって見せたりで)ロクリアン忘れは決定的となったのです。 ために今頃になって西洋から遠く離れた極東の地で私、ロクリアン正岡がトニカ苦禊(みそぎ)役を担当しなければならなくなったという次第です。こんなわけですから、音楽史は見直されなければならないし、出来れば将来へ向けて実際に治して行くべきではないでしょうか?!  人類も感性の枠をもっとずっと押し広げなければやって行けなくなっていることですしね。  「ヨクナレ・シ・ナナリアン」 という全音階図こそ“何“様の存在を証明する影ですゾ!!! 詳しくはホームページをご参照ください。また、御意見もどしどしお寄せ下さい。
作曲、音楽、社会、人類、この世、あの世、そして、なによりも何様を愛する日本現代音楽協会の諸兄妹、並びに会外の熱くもご聡明なる皆様方へ
正会員:ロクリアン正岡

2009年12月17日木曜日

中川広報部長日誌 其の三 広報部会


12月の広報部会,話し合う事、決定することが山ほどあり大変な広報部長、
こういう時は作曲とはまた違った脳を使っているのでしょうか。
そんな時に素晴らしい差し入れ宮崎滋氏の差し入れシュークリームです。
ずっと出版が滞っておりましたNewComporserも来年には良い方向に向かうように
只今作業進行中です。
2009年最後の広報部会でしたのでその後は松尾先生お勧めのおいしい魚料理のお店
にて忘年会。おいしいお酒を飲みながら話題は現代音楽でした。
そして部長の苦手なもの。それはチーズです。お魚はお皿をかかえて召し上がっておられました。乳製品は苦手とおっしゃっておられましたが、シュークリームは乳製品じゃないのでしょうか???(笑)天才作曲家広報部長は謎に包まれております。

2009年12月13日日曜日

12/20Apple Store銀座ライブのご案内

来る12/20日曜日、アップルストア銀座店の3Fシアターにて、電子音響とSAXと笙と映像によるミニライブを行います。
2008年電楽で発表しました笙と声と電子音響のための「Latent Echo」の一部と、サクソフォーンフェスタで発表しました「Evangelium」も映像とともに上演します。入場無料となっておりますので、ぜひお越しください。
Apple store 銀座店 シアター  アクセス http://www.apple.com/jp/retail/ginza/map/
地下鉄銀座駅徒歩1分中央区銀座3-5-12サヱグサビル本館中央通り松屋向かい


開催日程:2009.12.20   開催時間:PM5:00-6:00  入場無料
出演者 : 宮木朝子(作曲・mac)  大石将紀(sax)  高原聰子(笙)  
協力:小阪淳 岩下由美 武田隆顕 / 国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
アルバム名  Virtual Resonance-sound image for 4D2U(CD+DVD) tepito-001 Te Pito Records
イベント内容:国立天文台4次元デジタル宇宙(4D2U)プロジェクトの宇宙映像用音楽をベースに制作された雅楽と電子音響、鉱石、ガラスの現実音の電子変調によるアルバム「Virtual Resonance」。宮木朝子の音楽と、スーパーコンピュータのシミュレーションの結果を可視化した4D2U制作の宇宙映像による、発売記念ミニライブ。笙とsaxの生演奏にもご期待ください。
詳細については Te Pito Records のサイト内、 http://www.te-pito-records.com/pg36.html をご覧下さい。
*写真は今年3月国立天文台内4D2Uドームシアターで行われたライブの模様です。


正会員:宮木朝子

2009年12月10日木曜日

記念づくしのコンサートシリーズ!


tt事務局員です。
2010年、日本現代音楽協会(現音)は創立80周年を向かえます。その記念すべき年の最初に開催する〈現代の音楽展2010〉は、まさに「記念づくし」のコンサートシリーズです!
国際現代音楽協会の世界音楽祭で注目を集めた作品・作曲家を紹介するコンサート「世界に開く窓(シリーズ第2夜)」は、3月3日に開催する今回の企画でなんと30回目!
下記ブログにも書いた「箏フェスタ(シリーズ第3夜)」は、二十絃箏誕生40周年記念企画。
30、40ときて……期待に反しませんよ! シリーズ最終第4夜の「コンチェルトの夕べ」は、50周年記念を盛り込んでいます!
本シリーズ芸術監督の堤剛氏が1960年に初演した、故・矢代秋生元会員の《チェロ協奏曲》を、半世紀の時を経て、初演と同じ地、杉並公会堂で、そして初演と同じ堤剛芸術監督自らがソリストとして演奏します!
注目ポイントが沢山の〈現代の音楽展2010〉の情報は、今後も随時このブログで紹介して行きます!

2009年12月7日月曜日

チェロ・アンサンブル展作品決定!


チェロ・アンサンブル展
2010年2月14日(日)
13:30開場/14:00開演
府中の森芸術劇場ウィーンホール
全自由席2,000円
安良岡章夫/Polifonia II for 4 Violoncellos
水野みか子/エズの庭
遠藤雅夫/ゼピュロスII〜チェロアンサンブルのための
倉内直子/深層構造—10人のチェリスとのための
エイトル・ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第1番
出演:桐朋学園チェロアンサンブル
指揮:安良岡章夫 夏田昌和

2009年12月3日木曜日

現音・今昔(9)事務局のこと “直(ちょく)さん”編

現音に80年の歴史があると、当然その歩みは事務局の苦労史になる。その歴史の中軸に位置し、四半世紀に亘り作曲家の団体を支えてくださったひとに「佐々木 直さん」がいた。素晴らしき怪女だった・・・ピースの両切りをくわえ、お酒を愛し、“能”はプロ級で、人間コンピューターだった。とにかくワープロの<保存>を使わないのだから恐れ入る。みんな頭のなかに入っていて、個人情報・会計簿・各種スケジュールなど、必要に応じてたちどころに出してくる。財政も厳しいはずだが、途中どのように工面したのか、お金の出し入れの最後はキチンと合わせることが出来た。交友関係も広く、演奏家の優秀な才能を現代音楽に結びつけ、コーディネーターの役もされ、現在の各種音楽会企画の基礎を築いてくださった。
 わがままな作曲家が相手のために口が悪い時もあり、煙たがる会員もいたが、音楽関係者には愛され頼られる存在だった。
 「東京現代音楽祭」の準備の頃、当時の事務局長が大会事務局で「直さんどうしてるのかな?事務所で倒れていたりして・・・」と冗談を言いながら、しかし音沙汰無いのを心配し、現音事務局に帰り道に寄った。本当に倒れていた。
 後遺症もあり入院生活を余儀なくされた。現音では感謝の意志を伝えるための資金が殆ど無かった。すると先輩作曲家が「T(直さん)基金」を立ち上げ、有志が出し合い、彼女に贈ることになった。残念ながらその後亡くなられた。直さんも凄かったが、いざという時の先輩作曲家の情熱には凄いモノがあった。
坪能克裕

2009年12月1日火曜日

一本でもニンジンの謎

tt事務局員です。
1972年に現音の書記長(現在の事務局長職)に就任した三木稔さんは、その3年前、とある楽器の開発に携わりましました…。
そうです、「二十絃箏」です!
1969年、筝奏者の野坂惠子さん、三木稔さんをはじめ、様々な方の研究、努力、開発があって生まれた二十絃箏は、2009年の今年、誕生40周年を迎えました。それを記念して現音は、三木稔さんの代表作を含む新旧12作を一挙に上演する「箏フェスタ」を開催します!
ところで、一般的に「二十絃箏」と呼ばれることが多いこの楽器、実は糸が21本あるって知ってますか!? 今年4月に開催した「箏レクチャー」(写真参照)でそのことも語られていました。
箏音楽や二十絃箏の普及に努めてこられた吉村七重さん、石垣清美さんによるレクチャーは、初心者にもわかりやすく、克つとても充実した内容でした。
で、なぜ21本なのに二十絃箏!? それはまた次の機会に書きたいと思います(笑)。

2009年11月30日月曜日

〈現代の音楽展2010〉日程


日本現代音楽協会創立80周年
〈現代の音楽展2010---人間性と共に歩む現代音楽〉
芸術監督:堤剛
●チェロ・アンサンブル展
2010年2月14日(日)
13:30開場/14:00開演
府中の森芸術劇場ウィーンホール
制作:佐藤昌弘
●世界に開く窓〜ISCM“世界音楽の日々”を中心に〜北米特集
2010年3月3日(水)
18:30開場/19:00開演
東京オペラシティリサイタルホール
制作:国際部、松平頼曉
●箏フェスタ
2010年3月6日(土)
16:30開場/17:00開演
洗足学園前田ホール
制作:現代音楽教育プログラム研究部会、松尾祐孝
●コンチェルトの夕べ
2010年3月18日(木)
18:30開場/19:00開演
杉並公会堂大ホール
制作:日本現代音楽協会理事会、安良岡章夫

2009年11月27日金曜日

現音・今昔(8)ISCMの作曲家による「音楽づくり」

2001年に「世界音楽の日々・横浜大会」が開催された。各国の作曲家が集い、作品をもって交流を深めて行った。多数のプログラムがあり、どれも優れた企画の日々だったが、そこで前代未聞のコンサートが開催された。
 子どもたち・現代音楽・音楽づくり、がキーワードの大会もあった。そこに「世界から参加している作曲家も“音楽づくり”をしたらどうか」というアイディアを基にしたプログラムが誕生した。
 音楽づくりのプロ。一音のこだわりには誰にも負けないひとたちだ。聴け!オレがオレが、もある。作曲の仕組みやルールも熟知している・・・それは傍目には筆舌に尽くしがたいほど素晴らしく面白かった。
 夢中に音を出す日本の音楽家に(英語で)「キミ“間”って知っているか」と言うひとや、唯我独尊の境地のひとや、演奏のナルシストや・・・・
 本体の企画とは別に話題になったコンサートだったが、多分“空前絶後”の音楽界曼陀羅が生まれていたことでしょう。
 ・・・子どもたちと、一般市民たちと、そして専門家と、十年近い多数の活動実績をもって、’00年春、現音に「現代音楽教育プログラム研究部会」が誕生した。
坪能克裕

2009年11月26日木曜日

器楽アトリエ写真レポート〜その2


左上:木下正道さんの作品を演奏するvn吉井友里さん、vn本吉理路さん、vc持田遥さん、va大角彩さん
右上:自作を語る新田祥子準会員とアティレ弦楽四重奏団(vn中澤沙央里さん、vn原田百恵実さん、va福田道子さん、vc松井洋之さん
左下:オリジナル奏法を説明する門脇治会員と、実演するvn澁川ゆいさん、vn鈴木勇人さん、va栗原由樹さん、vc樋口健人さん
右下:門脇会員の作品についてディスカッションする堤芸術監督

撮影:熊谷美奈子

器楽アトリエ写真レポート〜その1


左上:挨拶する堤剛芸術監督と、金子仁美プロデューサー
右上:尾高惇忠会員と矢口里菜子さんが作品についてディスカッション
左下:水野由紀さんの演奏に聴き入る
右下:中西哲人さんのワークショップ風景

撮影:熊谷美奈子

2009年11月25日水曜日

府中の森にチェロ・アンサンブルが響く


tt事務局員です。
公演打ち合わせのため「府中の森芸術劇場」に行ってきました。
大都会新宿から、たった26分電車にゆられただけで、そこには緑豊かな文化の街が広がっています。車窓からの紅葉が美しい今日この頃。
京王線東府中駅は、浅間山、府中の森公園、府中美術館、そして府中の森芸術劇場の最寄駅です。
来年のバレンタインデーに、この府中の森芸術劇場で、チェロの響きを十二分に楽しんで頂く企画を開催するため、只今準備中です!
世界的チェリストである堤剛芸術監督がお勤めの桐朋学園には、チェロ専攻生の自主的参加により構成されたチェロ・アンサンブルがあります。今回の企画ではこの「桐朋学園チェロ・アンサンブル」にご出演を願い、また、現音会員作曲家は、チェロ・アンサンブルの今後のレパートリーになればという想いを込めて、チェロ・アンサンブルのために新作を書き下しました!
詳細は追ってお知らせ致しますので、今後も現音ブログに是非ご注目下さい!

2009年11月24日火曜日

現音・今昔(7)子どもたちの現代音楽による「奇蹟」— II

ミレニアム企画が取り沙汰される頃、東京近郊の市民ホールでは“クリスマス・コンサート”が開催された。その内容は市民の日頃の成果を、全体のコンセプトを基にプロのオーケストラとともに発表する、という内容だった。
 そこに地元の小学校5年1組の児童が、自分たちの“オリジナル”作品を発表することが加わった。その学校は過去にロンドンシンフォニエッタの「音楽教育プログラム」が入った経験があったが、5年生にとっては初めてだった。
 クリスマスの一ヶ月前に“音楽づくりワークショップ・リーダー”が一回90分児童と“音楽あそび”をして、音楽の“仕組み”を伝えた。楽器は音楽室にある小物打楽器・リコーダーと、身体を叩く“ボディークラッピング”だけ。
 その後、子どもたちは“作戦会議”を重ね、音楽教師・担任教師を頼らず、自分たちで秘密の音楽を作り始めた。
 本番直前のリハーサルで、初めて教師を含むスタッフ一同は、子どもが何を作ってきたか知ることになった。舞台一杯に7つ程に分かれたチームが同時に“花火”のように、ボディーを叩き、リコーダーを吹き、ダンスの要素を加えて表現していた。それを見て指揮者と(オケピットの)オーケストラは、その世界が生かされるようなコラボレーションを同時につくり始めた。
 ゲネプロで、初めて分かる創造世界が出来上がった。現代音楽の手法と表現を借りてはいるが、子どもが考え・つくり・表現することを、プロがサポートして協働する世界が初めて誕生した瞬間だった。
 圧倒される音と表現の渦に、作品が終わっても聴衆は拍手することさえ忘れていた・・・
現代音楽には、子どもたちにとって未知の表現の可能性を秘めている証拠が、そこにはあった。
坪能克裕

2009年11月20日金曜日

富樫賞受賞の言葉


現音ブログをご覧の皆様、こんにちは。第26回現音作曲新人賞本選会にて富樫賞を頂きました、田口和行と申します。
今回の受賞は、多久潤一朗さん、相川麻里子さん、藤原歌花さん、西山健一さんによる素晴らしい演奏・アンサンブルがあってこそのものだと思います。リハーサルの時から様々なアイデアを惜し気もなく提示して下さり、私の拙い楽譜と言葉足らずな会話にも拘わらず、豊かな音楽を生み出して下さいました。また、皆様の音に対する責任感を目の当たりにし、音楽家は斯くあるべきか、と今更ながら痛感することでした。4人の素敵な演奏家の皆様に、心より感謝致します。
加えて、3人の素敵な作曲家の皆様との出逢いは、貴重な経験となりました。コンクールだというのに殺伐とした雰囲気は無く、お互いの楽譜を見せ合ったり、其々の作品の感想や各々の作曲に対する姿勢を語り合ったり、etc…。中でも、新人賞を受賞された村瀬晴美さんは、私が目指す「現代音楽とポップスの高次元での共存」を既に実現されていて、同世代の作曲家として意識するだけでなく、今一番の憧れの作曲家と云っても過言ではありません(サントラを聴きながら、この原稿を書いております)。
私にとって初めての東京滞在でしたが、東京オペラシティで演奏して頂き、現代音楽を愛していらっしゃる方々に聴いて頂き(鹿児島から聴きに来て下さった方もいらっしゃいました)、日本が誇る音楽家の皆様に審査して頂き、その上、身分不相応と思えるような賞まで頂き、有り得ないくらいに刺激的な時間を過ごさせて頂きました。東京で出逢った皆様から頂いた課題に向き合い、再び皆様にお会いするためにも、より高い次元を目指し、日々精進して参ります。常に歩み続けることもまた「人間性の再発見・再認識・再開発」に欠かせない行為・態度だと信じながら…。
改めまして、今回の本選会に携わられた皆様に、心よりお礼申し上げます。誠に、ありがとうございました。

富樫賞受賞:田口和行

2009年11月19日木曜日

新人賞受賞の言葉


今回は、念願の現音作曲新人賞を頂き、大変嬉しく思っています。
演奏家のVcの多井智紀さん、Clの鈴木生子さんには、とても感謝しています。私の譜面から出る音楽を正確に、そして色々なアイディアを頂き、100倍以上魅力のある演奏をして下さいました。
この賞を励みに、更なる高みに精進していきたいと思います。憧れていた堤審査員長、坪能氏、安良岡氏から賞を頂いたことは、とても光栄です。
お世話になった皆様、どうも有り難うございます。

第26回現音作曲新人賞受賞:村瀬晴美

2009年11月18日水曜日

現音・今昔(6)子どもたちの現代音楽による「奇蹟」— I

「吹楽Ⅲ」が、サントリー大ホールで開催され、そこに小学生たちが“現代音楽”をつくり、発表のためにステージに出ることになった。やっと参加を了解してくれた都内の小学校児童だった。しかし器楽のバンドはクラブに無く、楽器は自校と不足分を他校から借りれば揃えられるが、それより音が出せないし、出ても二つか三つの音の児童が殆どだった。しかし、子どもたちは「サントリー大ホールに出たい」一心で決まったようなものだった。
 子どもたちは、音楽・担任の先生から「技術指導」を受けることなく、“音楽あそび”から「音楽の仕組み」を教わり、みんなの出せる一つ二つの音で「音楽づくり」することから始まった。出せる音からドローン(低い持続音)を決め、リズムパターンをひとつつくり、それらを「組み合わせて」「会話」を、リコーダーも加えてを楽しむことにした。子どもたちが意見を出し合い、教師は一切ダメ出しをせず、特別練習も取らず、子どもに任せたまま数時間あそんだだけだった。それに即興も加え、曲の最後に、全体のテーマになったリズムパターンを手拍子でお披露目することになったようだ。
 本番はトランペットからプス〜ッのス〜ッ しか出せず声を管から出していた子も、大演奏家の振る舞いで、全員暗譜で(実は楽譜が無い)堂々としていた。それは奇蹟の音楽に聞こえた。
 しかし、多くの吹奏楽関係者は「子どもにあんな難しいことを教えて!」と不評だった。一般のファンは子どもの努力を称え、数人の音楽教育関係者は絶句した。
 
坪能克裕

2009年11月15日日曜日

太陽を背負う月

この曲は、地球を中心に太陽、月、それに伴う軌道、影の関係を作曲の原理として作りました。
 チェロとクラリネット2つの楽器で作り上げることによって、鮮明に意図するものが聴こえてくると思い、この2つの楽器を選びました。
 常々、新しい発見を追い求めながら、楽器の可能性と共に、曲作りの可能性を広げていくことを、そして曲の中に、私の情感を色濃くいれていく作品を作りましたので、皆様に楽しんで興味深く聴いてくだされば、私は嬉しいです。
 演奏して下さる演奏家とのリハーサルでは、沢山のアイディアが溢れて、有意義で楽しい時間となりました。本番が今からとても楽しみです。
 現代音楽がかけ離れたものではなく、少しでも興味をもって頂き、楽しんでもらえればと思います。

現音作曲新人賞入選:村瀬晴美

2009年11月14日土曜日

パロ谷の春の祝祭に


「パロ谷の春の祝祭に」はブータン王国の「 祝祭(ツェチュ)音楽」と「民間に伝承する芸能」に着想を得たものです。私がはじめてブータンの音楽にふれたのは、ブータンの民族伝統音楽団「プンツォ・ダヤン」の来日演奏会においてです。
 彼らの手による伝統音楽、日々の暮らしに根ざした踊り、演奏、歌、それらは私がこれまでに体験したことのないすばらしいものでした。そして、それは私の音楽世界がおおきく開かれた瞬間でもありました。
 私はブータンという国に行ったことがありません。そこで生活している人々がどんな風に会話をするのか?気候や風土は?この来日演奏会での体験以外のことは書物を読み、予測を膨らませて想像の中で作品をつくるより他なかったのです。
 ただ、彼らの演じる「美しい自然の歌」や「労働の歌」も「祝祭の踊り」もすべては人々の生活や宗教観と深く結びついていて、彼らも私たちと同じように厳しい現実の生活のなかで喜び、悩み、苦しみ、その喜びも悲しみも自らが演じる芸能に投影させ、日々を生きているのだということを強く感じるのです。
 手探りの中で作った作品ですが、このたびこのように発表の機会をいただけることはほんとうに幸せなことです。また、各関係者の皆様への感謝はたとえようもありません。この場をお借りし、深く御礼申し上げます。
 そして、この曲は、短いながらも充実したリハーサルの中で演奏者の皆様からいただいたさまざまなアイデアを盛り込み、息が吹き込まれ、完成に至ったものです。数々のご指摘、助言、ご意見は私にとっての大きな財産です。ほんとうにありがとうございました。
 「現代の音楽」と「人間性」。これからも自分に問い続け、自らの音楽に投影していきたいと思います。
(写真はリハーサル会場付近の高円寺の巨木です。)

現音作曲新人賞入選:内野裕樹

2009年11月13日金曜日

まさに現代音楽コレクション! 多種多様な個性が光った「アンデパンダン展」


11月11日、12日と、2日で18作を上演した「アンデパンダン展」は、例年にも増して18人の作曲家の個性が生き生きと表現されたコンサートでした。幅広い世代の作曲家が所属している現音の縮図であったとも言えます。
写真は「アンデパンダン展第二夜」北條直彦会員作曲《饗相》の本番演奏風景。ヴァイオリンの弓が何本も切れる佐藤まどかさんの熱演、松山元さんの色鮮やかなピアノが印象的でした。

現音ブログを見て下さっているあなたへ


はじめまして。
この度、「現音作曲新人賞本選会」にて、拙作『葉桜』を初演して頂くことになりました、田口 和行と申します。
突然ですが、質問があります。
あなたは、花や木を見ていると、いつしか目の前にあるそれではなく、自分の中にある「それ」の方を見てしまっていたような経験はありませんか。
私が通っていた小学校に桜の木があるのですが、満開の桜よりも、どちらかというと、花と葉が混在する状態の方が記憶に残っています。
仕事へ行く途中に眺めていると、小学生時代の思い出がプレイバックされる訳でもないのに、「あの日の桜」の前に居るような感覚になることがあります。
もしかしたら、実物の「あの日の桜」ではなく、あの日、スケッチ大会で描いた桜の、その絵の具の色の印象かも知れません。
「あの日」がいつなのかも、はっきりと覚えていないのに…。
でも、これは後付けの言葉であって、その時点では、こんなことは少しも意識していないのだとも思います。
プライベートな例から飛躍し過ぎるかも知れませんが、このような記憶や精神世界、深層心理といった「庭」に育つ花や木を描きたいと思い、この『葉桜』を作曲しました。
これは、錯覚の果てに見える、真空に咲く花のようなものかも知れません。
そして、これはきっと日常生活の中で成長していきますので、私小説的な世界を唄うことで非日常性さえも導くシンガーソングライターのように作曲したいと思いました。
その過程が、画像のグラフです。
以上が、「人間性」というテーマから「日常」という言葉を連想した私の、短絡的で箱庭的な妄想です。
感じたままですので、残念ながら、根拠がありません。
あと数時間も経てば、あまりの恥ずかしさに卒倒してしまうことでしょう。
それでも、この曲が、あなたの「庭」に咲く花や木に気付いて頂けるきっかけとなってくれたら。
そんな祈りを込めて…。
最後になりましたが、今回初演して下さる4人の素敵な演奏家の皆さん、このような機会を与えて下さった現音の皆さん、そして、初演に立ち会って下さるあなたに。
心より、ありがとうございます。

現音作曲新人賞入選:田口和行

2009年11月12日木曜日

其のニ 中川広報部長日誌 メッセージ



パソコンをお持ちでない中川広報部長、携帯メールで原稿を送ってくださいました。
中川先生らしい文章ですよ。
私は、自作の『影法師』を、今朝顔も洗わないうちにカセットデッキに、3点吊り録音のCDR.という組み合わせで、聴いていました。目の前にあった、ジョン・ケージに関する先頃出版されたばかりの本を、途中で手に取り、ぱらぱらめくりながらです。 
『影法師』の最後は、ボレロのリズムで終わります。それもラベルのでなく、あの4拍子系の、それにあわせておもわず「じーんせーい…」と歌ってしまいがちの。ところが、とうに曲が終わったはずのところにさしかかっても、まだそのリズムが同じテンポで、聞こえるのです。拍手までのその10秒程のスペースに。 
何度か聴きなおして納得。安手のカセットデッキでは特に目立つ、CD.の回転音が、前からの流れで、自然につながって、同じ三連符に聞こえていたのですね。私はブログに乗せる文章は、これ以外ないと思いました。       
私の「個展」(10/14)おかげさまで無事に、終わりました。
まずは、ご挨拶かたがた。また追って簡単な報告をさせて頂きます。
中川俊郎広報部長
 
尚、11/15 11/22 両日とも(日) 18:00〜50, 個展の模様が、
NHKーFMで2回に分けて、放送されます。
広報部 

熱気ムンムンの小さな繊維工場


現音新人賞 本選会出場の小坂幸生です。
 作品の“小さなメリヤス工場”は、英題を直訳すると、“熱気ムンムンの小さな繊維工場”と表現できます。祖父から父へ、そして私へと引き継がれた工場は、ミシンの音、クリーニング屋さんより大きな蒸気アイロンの音、ボタン付けの音、裁断する音等がいつも鳴り響き、日本最高の製品を自負するほどの、婦人服ニット製品の製造工程の音で満載です。
 そのジーというような機械音、蒸気で製品をセットする音や臭いの感じ、裁断機の音、裁断された布地が落ちる音、ボタン付けのガチャガチャする音をどうやって皆様に理解されるか、感想をお聞きしたいところでもあります。譜面上ではその場面を想像できるような場面書きでいっぱいです。会場の皆様にその字幕テロップが流れればもっと楽しいかもしれないと思っていますし、現代音楽にありがちな暗い感じの様相を呈していません。
 さて、今回の本選会はソロで演奏活動を実施されておられる強者揃いで、演奏されるだけで幸せですし、自分自身が聞いていても楽しくてワクワクしています。
 私は15~16歳で一般の作曲家が目指す音楽専門の教育ではなく、いわゆるその大多数を占めるサラリーマンになるための学校教育を受けてきました。私は作曲家とは音大出身の方、あるいはお医者様のような学識者しかその存在を知りません。
 サラリーマン、ましてや、夜中も働く原子力等の計装・制御のシステムエンジニアに作曲家はいないと信じ込んでいます。これが私の強みでもあり、一般の労働者が働く姿、大多数を占める、サラリーマンの憂鬱や楽しさを表現できる日本唯一の存在であると思っています。私はその大多数の労働者を代表する作曲活動を、今後も行っていこうと思っています。また、私はISAS(旧宇宙科学研究所)で惑星大気(CO2の濃度測定等)の研究をしていたこともあり、本選会で聞くことができる“太陽を背負う月”がどのように表現されているか興味津々です。
 上記のことから、今回の現音新人賞のテーマが“人間性の再発見、再認識、再開発”であったことに共感し、作品を応募した次第です。

現音作曲新人賞入選:小坂幸生

2009年11月11日水曜日

11日遅れのハロウィン―「死神」、オペラシティに来襲す!


「俺と御前の前世の誼み
  ひとつ援けて遣らうぢやないか…」(死神)
現音会員の三枝木です。
今回の「アンデパンダン展」第一夜にて、「死神」と題する作品を発表します。
題名からもお察しの通り、今回の作品は古典落語の大ネタ中の大ネタ、三遊亭円朝が外国オペラを翻案して作ったといわれるあの名作に素材を求めています。高座では大抵30分前後かかる内容ですが、これを15分程度に圧縮、台本も新たに書き下ろしました。
もともとがオペラであり、しかも国内ですでに某大家の名作が存在する題材なので、無謀と言えば無謀な挑戦ですが、ピアノ伴奏の独唱曲という制約の中で、聴き手に「噺を聴く楽しさ」が伝えられれば、と願っています。
聴きどころは、まずなんと言っても、一人何役もこなさなければならない歌手の「演技」でしょうか。主人公となる男と死神のほか、老人からうら若き少女(!)まで登場する脇役を作品中では演じ分けなければなりません。落語の世界では当たり前の技ですが、“現音”のステージでは、「はてさて、どうなることだろう」(台本より)… 松平敬さんの快演をお楽しみいただけると思います。
また、ピアノは寒々しく舞い散る枯葉の道から、死神の爛々と光る両眼、洞窟の中に煌々と揺らぎ輝く蝋燭などの視覚的表現、死という抗えない現実を前にあたふたと動き回る人間たちのスケルツォなど、物語の土台骨を支えるため縦横無尽に動き回ります。大須賀かおりさんのピアノは、この無茶な(譜面はかなり無茶している事を告白しておきます…)要求にも充分応えてくれることでしょう。
さて、台本の中にひとつの仕掛け。男が死神から伝授される「呪文」です。本家「死神」では落語家が高座でお客さんの反応を見ながらアドリブで呪文を唱えるのが“慣例”ですが、本作も楽譜上では「適宜変更してよい」としてあります(ガイドラインは一応あるにはある)。今回の呪文はどんな言葉が飛び出すやら… これは蓋を開けてみないことにはわかりません。
全篇「死」を扱う、ともすると重苦しい内容となりがちですが、そうしたテーマ性とともに、寄席で気軽に噺を聴く感覚でお楽しみいただけると幸いです。
※添付画像は「赤ずきん」以来久々の作品仮想ポスターです。今回は3DCGで作ってみました。

正会員:三枝木宏行
2009年11月11日(水)
●アンデパンダン展 第1夜
三枝木宏行/「死神」~古典落語に基づくモノドラマ(2009/初演)
大須賀かおり(ピアノ) 松平敬(バリトン)