2010年7月28日水曜日

現音twitter企画第1弾!

石将紀、1977年生まれ、サクソフォン奏者。
藤倉 
、1977年生まれ、作曲家。
 今日の音楽シーンを彩る二人のアーティストの対談が「twitter(ツイッター)」上で実現します! 現音ブログをご覧のみなさま、是非、リアルタイムで行われる芸術談義に参加してみませんか!?

ツイッターについて
 英語で「鳥のさえずり」のことを「ツイート」といいますが、ツイッターはまさに、さえずるように、ぽろっと「つぶやく」ことでコミュニケーションが生まれるという面白いサービスです。
 今回は現音がお二人の対談専用の「つぶやきの場」を設けました。このつぶやきの場に登録して頂ければ、藤倉さん、大石さん、そして集まった全員で、リアルタイムで芸術談義が出来るというわけです!(※参加方法は下記参照)

 さて、今年の2月に、藤倉さんが特集された番組「情熱大陸」をご覧になった方も多いのではないでしょうか? そして翌3月、NHK-BS「クラシック倶楽部」で放送された「大石将紀スタジオコンサート」では、大石さんが藤倉さんに委嘱した作品《SAKANA》を演奏しました。今回の対談ではこの《SAKANA》が誕生するまでのエピソードを中心に『今時の作曲』をテーマにお二人に熱く語って頂こうと思います!
 対談の進行役は、お二人と親交が深い作曲家、現音広報部の蒲池愛さんです。ご期待下さい!!

対談の参加方法
ツイッターの登録がお済みでない方はこちらでアカウントを作成して下さい。
アカウントをお持ちの方は下記の3つを全てフォローして下さい。

2010年7月27日火曜日

ニューヨーク頼り?(2)

tt事務局員です。
ニューヨークには行った事も無いし、好きとか、こだわりがある訳では無いのですが、深澤さんの「ボストン便り」のオマケで、こちらも「その2」をお届けしたいと思います!
先日「ニューヨーク市内に60台のピアノを設置」というブログを書きましたが、こういうのは「パブリックアート=公共アート」という概念になるのだと思います。
ニューヨークの街中や地下鉄等には、公共アートが沢山あるみたいですね。美術館に整然と飾られるのではなく、街の中に同居するそれらの作品たちは、微笑ましかったり、面白かったり、ビックリしたり、はたまた空気のような存在だったり。
ニューヨークを中心に活躍している公共アート作家がいます。私はこの方の作品が好きです。
興味がわいた方、下記のオフィシャルサイトをどうぞ↓

音楽における公共性は…? いろいろ考えてみると面白そうです。

2010年7月21日水曜日

ボストン便り (2) 〜会員:深澤舞


7月4日は独立記念日の祝日で、毎年、街の中心を通るチャールズ川沿いで大きなイベントが開かれます。クライマックスは、日暮れと共に始まるボストン・ポップス・オーケストラの野外コンサートと、それに続く打ち上げ花火。「1812年序曲」の最後の大砲の音に、打ち上げ花火の音が加わり、今年も大歓声に包まれました。
 このチャールズ川が流れ込む海に面して、ICA Boston (The Institute of Contemporary Art/Boston)が建っています。海に広く面した外のテラスがカフェになっており、前回行ったときには、ガラスの建築と海とを背景に、トリオが演奏している最中でした。このカフェはアメリカで人気の高いシェフがプロデュースしているそうで、 企画展のない時にも、このカフェや演奏を目的にICAを訪れる人も多いそうです。
 ボストンに来る前は2年ほどロンドンにいたのですが、こちらは緑豊かな街の中心部にICAがありました。ピカソや同年代の画家、詩人たちが「半ばクラブのような形で」発足させたICA Londonに、今は劇場、フィルムセンター、ギャラリー、演奏会や講演会に使えるスペースなどが詰まり、イギリスらしい重厚な建物から様々な「現代」が発信されています。アートブックストアやバーのコーナーもあり、「クラブナイト」が催される週末は夜中まで開いているのです。ギャラリーとバーに続くスペースで現代音楽のコンサートが行われていたのですが、扉は演奏中も開かれたまま。その音世界に誘われ、ギャラリーで写真展を見ていた人やバーにいた人が(グラスをそのまま片手に)覗きにきて、思い思いに腰かけ、初演の場や作曲者との会話を楽しんでいました。自然に囲まれたひと続きの空間で、多様な「現代」の 形を自由に行き来する光景、そして、おいしいお茶やお酒を飲みに、公演を観に、写真集を買いに・・と出かけた先々に、現代音楽への扉のある光景が、これからの豊かな可能性を予感させてくれます。
 ボストンも夏らしいお天気が続いています。昨年は10月に初雪だったのですが、数ヶ月後にまた雪になるとは思えないような、満天の陽射しです。
(2010.7.19.)

2010年7月13日火曜日

JSCM Archives その (3) 《Formation of a cD Galaxy》


宮木朝子 作曲《Formation of a cD Galaxy》
 国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトによる、スーパーコンピュータのシミュレーション結果を可視化した3D映像に、雅楽の楽器や氷や水、鉱石の結晶などの微音を素材に電子変調した音楽・音響をつけたもの。アルバム『Virtual Resonance-sound image for 4D2U』(tepito-001/Te Pito Records)にも収録されている。
↓下記のサイトでご覧下さい
----------
■CD/DVD発売:2009年10月21日
演奏:高原聰子(笙)宮木朝子(コンピュータ)
映像:国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト
▼宮木朝子ウェブサイトhttp://homepage.mac.com/miyaasako/

2010年7月7日水曜日

EPCoMその2〜会員:松尾祐孝


皆さん、EPCoMってご存知ですか。Educational Program of Contemporary Musicの頭文字で、当協会の現代音楽教育プログラム研究部会の略称として使っています。この部会は、坪能会長の「現音・今昔」シリーズでも触れられている新しい創造教育を研究・実践・普及していく部会です。このブログには2回目の登場となります。この6月に川崎市下の某小学校の授業に4回もお邪魔をして、3年生5クラスで2回ずつ「音楽づくりワークショップ」を実施してきましたので、簡単にレポートいたしましょう。
[実施概要]
 今回参加メンバーは、私=松尾祐孝(ワークショップリーダー)と、EPCoMメンバーや音楽教育プログラムに関心の有る若手の作曲家や演奏家の方々で、都合のつく日に駆けつけてくださいました。生徒には事前に「何でも良いから自分の音を持ってくる」ことにしていて、その各自の音を活用しながら、各クラス2回ずつの授業で、ワークショップを行いました。
[1回目] アイスブレイク(全員で輪になって)〜自分の音の披露〜今日のテーマ発表「ロングトーンと同音連打」〜即興創作体験(松尾の指揮で全員一緒に即興音楽づくり)〜「ロングトーンと同音連打で音楽づくり」実践第1回(3or4グループに別れて:各ブループにサポーターが参加)〜相互鑑賞会(3or4グループをそれぞれのステージを鑑賞)
[2回目] アイスブレイク(全員で輪になって)〜テーマ再確認「ロングトーンと同音連打」&ヒントの提示「問いと答え」(応答性)「繰り返し」(反復生)〜「ロングトーンと同音連打で音楽づくり」実践第2回(3or4グループに別れて:各ブループにサポーターが参加)〜相互鑑賞会(3or4グループをそれぞれのステージを鑑賞)〜まとめ(鑑賞との連系の示唆)という進行で、各クラスとも楽しく盛り上がりました。
 サポーター初体験の若手音楽家の皆さんも洞察力と音楽性を遺憾なく発揮して、見事に生徒達をリードしていました。
[感想]
 専門的訓練を受けていない一般の小学生との音楽づくり体験は、今年1月の4年生授業に続いてやはり新鮮でした。「人間の持つ根源的な表現欲求と先入観に全く捕われない表現方法の刺激的な出会いが、世界で一つの自分たちの音楽ステージを生み出していく様」は正に芸術創造の原点であると、あらためて感じ入りました。前回に比べて学齢で1年半早い3年生1学期の生徒を対象に、前回と同じテーマで実践できたことは、我々にとって貴重な比較研究の機会となりました。今後、2年生と1年生でも実践を行う予定なので、それに向けての内容の策定が、EPCoMのこの夏の課題になります。
[追記]
 私=松尾祐孝が来る9月11日〜12日に京都大学で開催される「日本応用心理学会第77回大会」で[音楽づくりワークショップ]を行うことになりました。私のワークショップは11日に実施の予定です。
日本応用心理学会第77回大会ホームページhttp://www7b.biglobe.ne.jp/~dev-okinawa/jaap/top.htm
松尾祐孝担当ワークショップの紹介ページhttp://www7b.biglobe.ne.jp/~dev-okinawa/jaap/taikai-kikaku.html
 音楽家(それも作曲家)が心理学の学会に登場することはきっと稀なのだと思いますが、私なりに精一杯頑張ってこようと思っています。ワークショップ参加者にとって、「互いの音を聴き合い、互いの意見を聞き合い、無から世界に一つの自分たちの作品を創る」という行為は、高度な思考体験になります。発達心理学の面からも興味深い研究対象になり得るのではないでしょうか。子どもにとっても大人にとっても、このようなワークショップの体験は所謂「人間力・コミュニケーション能力」の育成に大きく寄与するものだということを、音楽教科の枠を超えて社会全体がもっと深く認識してほしいものです。作曲家はその領域に深く関われるのです。
 「音楽づくり」に興味が有りお時間も有る方は、是非とも京都にお越しください。学会ワークショップでお目にかかりましょう。