2009年11月20日金曜日

富樫賞受賞の言葉


現音ブログをご覧の皆様、こんにちは。第26回現音作曲新人賞本選会にて富樫賞を頂きました、田口和行と申します。
今回の受賞は、多久潤一朗さん、相川麻里子さん、藤原歌花さん、西山健一さんによる素晴らしい演奏・アンサンブルがあってこそのものだと思います。リハーサルの時から様々なアイデアを惜し気もなく提示して下さり、私の拙い楽譜と言葉足らずな会話にも拘わらず、豊かな音楽を生み出して下さいました。また、皆様の音に対する責任感を目の当たりにし、音楽家は斯くあるべきか、と今更ながら痛感することでした。4人の素敵な演奏家の皆様に、心より感謝致します。
加えて、3人の素敵な作曲家の皆様との出逢いは、貴重な経験となりました。コンクールだというのに殺伐とした雰囲気は無く、お互いの楽譜を見せ合ったり、其々の作品の感想や各々の作曲に対する姿勢を語り合ったり、etc…。中でも、新人賞を受賞された村瀬晴美さんは、私が目指す「現代音楽とポップスの高次元での共存」を既に実現されていて、同世代の作曲家として意識するだけでなく、今一番の憧れの作曲家と云っても過言ではありません(サントラを聴きながら、この原稿を書いております)。
私にとって初めての東京滞在でしたが、東京オペラシティで演奏して頂き、現代音楽を愛していらっしゃる方々に聴いて頂き(鹿児島から聴きに来て下さった方もいらっしゃいました)、日本が誇る音楽家の皆様に審査して頂き、その上、身分不相応と思えるような賞まで頂き、有り得ないくらいに刺激的な時間を過ごさせて頂きました。東京で出逢った皆様から頂いた課題に向き合い、再び皆様にお会いするためにも、より高い次元を目指し、日々精進して参ります。常に歩み続けることもまた「人間性の再発見・再認識・再開発」に欠かせない行為・態度だと信じながら…。
改めまして、今回の本選会に携わられた皆様に、心よりお礼申し上げます。誠に、ありがとうございました。

富樫賞受賞:田口和行

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