2010年12月29日水曜日

ボストン便り (5) 〜会員:深澤舞

 11月は久しぶりに日本に一時帰国しておりました。『あれから30年。』という演奏会ツアーで、ギターの佐藤紀雄さんとマンドリンの川口雅行さんが拙作を初演して下さったのです。今回、 佐藤紀雄さんからこの素敵な機会を授けて頂いたのですが、佐藤紀雄さんとの出逢いを作って下さったのは、2006年秋の現音の「器楽アトリエ」 。その時に初めて、佐藤紀雄さんとアンサンブル・ノマドのメンバーの方々が、新作を演奏して下さったのでした。この時の「器楽アトリエ」では、演奏会前に楽譜をスライドに映して、演奏者の皆様と先生方と壇上でお話をさせて頂き 、奏法や記譜に関してのご指導も頂けて、貴重な学びの機会を頂きました。今回の『あれから30年。』は名古屋から始まり、関西、四国を回って東京まで7公演のツアー。クラシック、ジャズ、武満徹氏の映画音楽の編曲版など盛りだくさんの素晴らしい演奏会で、拙作もリハーサルから2公演目まで聴かせて頂くことができました。

『あれから30年。』佐藤紀雄さん()、川口雅行さん()


 12月半ばには、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏会を聴かせて頂きに、ニューヨークに参りました。3回の全く異なるプログラムのうちの、1日目と3日目だったのですが、1日目の後半、ブラームスの交響曲第1番と、3日目のブリテンの戦争レクイエムを、ご病気から復活された小澤征爾さんが指揮され、オーケストラの100名を越える方々、戦争レクイエムでは更に150名近い合唱が加わり、そして満席のカーネギーホールも全て一体となった、言葉に尽くせぬ尊い演奏会でした。クリスマス前には、ボストン3年目にして初めての、ボストン・ポップス・オーケストラのクリスマスコンサートへ。こちらは客席が円卓形式に変わり、パーティーのような賑やかなコンサート、終盤にはサンタクロースも登場して、ホール中でクリスマスソングの大合唱となりました。

サイトウ・キネン・オーケストラNY公演


ボストン・ポップス・オーケストラ Holiday Pops公演

 ボストンは先週、ずいぶん遅れての初雪でしたが、それ以来、ほぼ毎日降り続いて街が真っ白になっています。今年は現音のブログに参加させて頂き、遠くにいながらも、いつも楽しく現音の演奏会や、皆様の記事を読ませて頂いておりました。ありがとうございました。また、来年もどうぞよろしくお願いいたします。お体にお気を付けて、素敵な新年をお迎え下さいませ。


(2010.12.27.)

2010年12月16日木曜日

上田希さんのリサイタル『毒っとクラリネット!』公募作品入選者 田口 和行氏から

現音ブログをご覧の皆様、こんにちは。
上田希さんのリサイタル『毒っとクラリネット!』にて、独奏クラリネットのための《-ade》を初演して頂きます、田口和行と申します。

この曲のタイトルは、オレンジエードやレモネードと言う際の「-ade」で、具体的に描写している訳ではないものの、ミキサーに入れられた果物がジュースになる様子をイメージしながら作曲致しました。
期せずして、リサイタルのタイトルに「毒」という言葉が含まれましたので、良い意味で、物騒な関連性が生まれました。

実際、リハーサルに立ち会いましたら、かなりエグいジュースが出来上がりそうで、私も前向きに驚いております。
これは、上田さんの卓越した演奏技術と楽曲解釈によって曲が化けてくれたおかげです。私自身、本番での演奏を、かなり楽しみにしております。

実は、シンセやサンプラーで鳴らす場合は別として、クラリネットの楽譜が音になるのは、ソロやアンサンブルなど如何なる編成においても、今回が初めての経験となります。
その貴重な機会を『毒っとクラリネット!』で頂けて、リサイタルに関わる皆様に感謝しております。

最後に。
リハーサルは京都で行われましたが、私は嵯峨の某所に宿泊致しました。写真は、その最寄り駅である「嵯峨嵐山駅」です。
最近新しくなったとのことですが、嵯峨におけるこの駅の在り方を含め、沢山の示唆に富む場所で素敵な時間を過ごさせて頂きました。
リハへ立ち会うにあたってお世話になった皆様にも、感謝致します。

演奏が終わりましたら、このジュースの舌触りや後味を、是非とも、教えて頂きたく存じます。
それでは、会場にて、お会い致しましょう。

田口 和行
2010年12月20日[月]
■18:30開場/19:00開演
■ムラマツリサイタルホール新大阪



(1) 小泉 香/時の鳥(2010/初演) 公募作品


(2) 高橋宏治/Before sleeping.... for clarinet solo(2010/初演) 公募作品

(3) 田口和行/-ade for clarinet solo(2010/初演) 公募作品

(4) 青木孝義/Contrasts I ― Clarinet Duo for Clarinet Players ―(2010/初演)

(5) 藤井喬梓/Lichthof für zwei Klarinetten(1989)

(6) 南川弥生/沈黙の鳥たち pour Clarinet et Saxophone(2010/初演)

(7) 湯浅譲二/Clarinet Solitude for clarinet(1980)

(8) サルバトーレ・シャリーノ/Let me die before I wake per clarinetto in si bemolle(1982)

演奏終了後、日本現代音楽協会主催「アンデパンダン展2011」招待作品を選曲し、発表します。 上田希(1)-(8)・古賀喜比古(4)(5)(クラリネット) 平田英治(6)(サクソフォン)

●協賛:ビュッフェ・クランポン株式会社 ムラマツリサイタルホール新大阪

★チケットのお求めは日本現代音楽協会まで

電話:03-3446-3506(平日10:00~17:00)

◎メールでお申し込みの場合は clarinet@jscm.net 宛に
下記の項目をお書き添えの上お送り下さい。
折り返し料金の振込先をお知らせし、
振込が確認された時点でチケットをお送りします。
1. 氏名
2. 券種 一般前売り2,800円/一般学生1,000円
3. 枚数
4. 送付方法 普通郵便は送料無料/簡易書類郵送は300円
問合せ:日本現代音楽協会 Tel: 03-3446-3506



第20回朝日現代音楽賞受賞の言葉 ギター・山田岳



 まず始めに、今回の受賞にあたり、審査委員の先生方、応援してくださった皆様に心より御礼申し上げたいと思います。

 「競楽」は学生時代からずっと憧れていたコンクールで、いつかは本選の舞台に立って演奏したい!と思っていました。
第1次予選を通過したときは本当に嬉しく、そればかりか第2次予選も通過することが出来て自分としてはまさかの本選出場だったので、結果発表で名前を呼ばれた時は夢のようでした。

 現代音楽の演奏家を志す身として、一つ結果を残せたこと、そして第一歩を踏み出せたことに大きな喜びを感じています。

 自分が果たして本当にこの素晴らしい賞にふさわしいかどうかは、今後の活動如何だと思いますので、今後は今までよりいっそう勉強と研究を重ね、音楽活動に取り組んでいかなければと身の引き締まる思いです。

 本当に、ありがとうございました。

2010年12月12日日曜日

協賛公演=ISCM海外支部との国際交流

本ブログで11月25日付で紹介していただいたリスボン<日本=ポルトガル交流2010演奏会>(創立80周年記念事業協賛公演)の開催が、いよいよ間近に迫ってきました。来日する Sond'Ar-te Elaentric Ensemble とMiso Music Portugalのスタッフは、12月4日リスボン近郊の保養地=カスカイス
で開催されたほぼ同じプログラムによる日本ツアー直前の壮行公演も無事に終えて、準備万端で訪日を楽しみしているということです。情報詳細は、11月25日付の頁をご参照ください。但し19日のメインコンサートについては曲順の変更があるので、改めてお知らせいたします。現音会員の皆様、非常にしっかりした団体組織運営をされているISCMポルトガル支部=Miso Music Portugal の中心人物であるMiguel & Paula Azguime 夫妻にも会うことのできる、国際交流の絶好の機会ですので、是非会場に足をお運びください。勿論、このブログを愛読なさっていただいている会員外の皆様も大歓迎です。では、18日・19日に会場でお目にかかりましょう。

<日本=ポルトガル交流2010>実行委員会




Miguel Azguimeより現音の庭へメッセージ
http://jscm1930.blogspot.com/2010/12/iscm-miguel-azguime.html
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日本=ポルトガル交流2010演奏会
〜Sond’Ar-te Electric Ensemble 特別来日公演〜
(日本=ポルトガル修好150周年記念文化交流)
主催:日本=ポルトガル交流2010実行委員会 
   洗足学園音楽大学 / 大学院
後援:在日ポルトガル大使館
協賛:日本現代音楽協会(創立80周年記念事業協賛公演)
助成:財団法人 ローランド芸術文化振興財団 カモンイス院

<第1日 = ワークショップ> 2010年12月18日(土) 17:00開演


<第2日 = メインコンサート>
2010年12月19日(日) 17:00開演
洗足学園音楽大学 ビッグマウス
(溝の口キャンパス・新校舎ブラックホール1階)

1) 蒲池 愛  Faily Circle  - 日本初演 –
2) 門脇 治  ...space...  - 日本初演 –
3) 松尾祐孝  A Double Fiber of Resonance
       – Miso Music委嘱作品/日本初演 –
4) 三枝木宏行  Le psradis embouteille  - 世界初演 –
5) Cadavre Exquis  - Miso Music創立25周年記念作品日本初演 -
〜18人のポルトガルと日本の作曲家による記念共作作品〜
6)  Miguel Azguime – Derrière Son Double
       - Casa da Música委嘱作品/日本初演 -

演奏:Sond'Ar-te Electric Ensemble
http://www.misomusic.com/ingl/crea/sondartei.html
指揮:Pedro Neves
エレクトロニクス制作:Miso Stusio
エレクトロニクス協力:Oasis Sound Design Inc.
洗足学園音楽大学/音楽・音響デザインコース

入場料:ワークショップ (12月18日):全自由席1,000円
    メインコンサート(12月19日):全自由席2,500円
               通し券(12月18日&19日)    :全自由席3,000円 
    洗足学園音楽大学演奏部で前売り中

♪洗足学園音楽大学演奏部
☎044-856-2981(平日10:00〜17:00) E-mail: ensou@senzoku.sc.jp
♪洗足学園音楽大学 www.senzoku.sc.jp
♪日本=ポルトガル交流2010実行委員会(実行委員長 : 松尾祐孝)
☎03-3748-0303  Fax:03-3748-0330




2010年12月11日土曜日

“競楽IX”本選出場者紹介〜山田 岳


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
山田 岳(ギター)Gaku YAMADA

 この度、権威ある“競楽”の本選演奏会という舞台に立たせていただけること、そしてこの栄えある舞台で、これまで自分が勉強してきた作品を聴衆の皆様に披露する機会に恵まれたことを大変光栄に思います。
 この度演奏する1曲目《フォリオス》は、1974年に作曲された武満徹の最初のギター作品です。《フォリオス》という名のとおり、二つ折りの小品が3つ並べられたこの作品は、武満独特のハーモニーと、様々な音楽、バッハやガムラン、ボサノヴァなどへのオマージュが随所に散りばめられた美しい作品です。
 もう一曲はオランダの気鋭ミシェル・ヴァン・デル・アーの《Auburn》という、テープとギターのための作品を演奏します。先の武満とは対照的な、ある種の鋭い響きを持ったギターパートと、デジタルな素材のほか、様々な楽器の生音をサンプリングした音響も盛り込まれたテープ部分は互いに大変能動的に絡み合い、独特な音響を紡いでいます。

▼プロフィール
ドイツ国立ベルリン音楽大学卒業。ギターを佐藤紀雄、長野文憲、徳武正和、D.ゲーリッツの各氏に師事。第41回日本クラシカルギターコンクール優勝、イタリア・ガルニャーノ国際ギターコンクール最高位、ベルリン国際ギターコンクール第3位。2009年に帰国し、現在は東京を中心に現代音楽作品を中心としたリサイタルやサウンド・インスタレーション、即興演奏などの活動を行っている。

2010年12月10日金曜日

“競楽IX”本選出場者紹介〜岩見 玲奈


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
岩見 玲奈(マリンバ)Reina IWAMI

 この度、本選に出場させていただけることになり、大変光栄に思っております。第一次、二次予選ともに邦人作品を演奏させていただきましたが、この度本選も、邦人の権代敦彦さん作曲《木はやはりなにも言わない》を演奏させていただきます。
 これまでに私が勉強させていただいた作品の中でも、特にこの作品には、出会った瞬間に曲が持つその魅力に引き込まれてしまい、その後楽譜を拝見し、更に深く感銘を受けました。今年春、東京音楽大学を卒業しましたが、その折にこの作品を、何か特別な気持ちで演奏させていただきました。
 作品全体を通して、幅広い音域の鍵盤を十分に使用し、また「1〜7」、「7〜1」という数字に基づいて音楽が進行してゆきます。マリンバという楽器の特色を、またそれを十分に生かすことの出来るこの作品の魅力を、聴いて下さるお客様にお届け出来るよう、精一杯演奏させて頂きたいと思います。

▼プロフィール
8歳よりマリンバを、16歳より打楽器を始める。ベルギー国際マリンバコンクール2007ソロ部門第2位受賞。第25回日本管打楽器コンクール打楽器部門第1位受賞。ザルツブルグ国際マリンバコンクール2009第1位受賞。東京音楽大学大学院1年在学中。(財)ロームミュージックファンデーション2010年度奨学生。現在、菅原淳、久保昌一の両氏に師事。

“競楽IX”本選出場者紹介〜木埜下 大祐


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
木埜下 大祐(フルート)Daiske KINO-SHITA

 皆さん、こんにちは。フルートの木埜下です。今回わたしは武満徹の《ヴォイス》とブライアン・ファーニホウの《カサンドラの夢の歌》を演奏します。まったく性格の異なる2つの作品ですが、1本のフルートがつくりだすことのできる音響空間と音楽の限界に挑戦した作品、という点では共通するところがあり、それぞれの曲の持つ違いの対比を楽しんでいただければ、と思います。
 皆さんと会場でお会いできるのをたのしみにしております。

▼プロフィール
1977年金沢市生まれ。ハンブルク音楽院(石川県芸術インターンシップ事業在外研修員)、ブレーメン芸術大学を卒業。フルートを小泉浩、ユルゲン・フランツ、ヘレン・ブレットソー、ハリー・シュタッレフェルト、マリオ・カローリの各氏に師事。”競楽”において、3度の入選、および内1度の審査委員特別奨励賞を受賞。グイヤンシンフォニーオーケストラ首席フルート奏者を務めた後ソリストに転出、現代音楽を中心に幅広いシーンで活躍している。

“競楽IX”本選出場者紹介〜宮崎 明香


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
宮崎 明香(ピアノ)Haruka MIYAZAKI

音楽に勝ち負けは無いけれど、この舞台は、自分との戦いだと思っている。
リスクを負わなければ、良いものは何も生まれないから。
音とリズムが描き出す、極彩色の世界。抒情はいつしかモノトーンとなり、
激烈なエネルギーは絶望の淵に落ちるか、歓喜の角笛を鳴らして圧倒的な愛で満たされるか・・・。
音楽が織りなす多彩な風景、どうぞお楽しみください。

▼プロフィール
桐朋学園大学卒業後渡仏し、パリ国立地方音楽院で1等賞を、同音楽院研究科を審査員満場一致の特別賞を得て主席で卒業。スイス国立ジュネーヴ音楽院をコンサート・ディプロムを得て卒業する。在学中数々の国際コンクールに入賞。山田朋子、竹内啓子、ジャンマリー・コテ、パスカル・ドヴァイヨンの各氏に師事。NHK「スーパーピアノレッスン」出演。現在パリに在住し、フランスを中心にヨーロッパ各地で演奏活動を展開している。

2010年12月9日木曜日

“競楽IX”本選出場者紹介〜東雲打楽器二重奏(斎藤祥子・林瑞穂)


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
東雲打楽器二重奏(斎藤祥子・林瑞穂)

 今回1曲目に演奏します高橋悠治さんの作品は「どのように解釈し表現するか」の多くが演奏者に委ねられています。その数ある選択肢の中からどう音を紡いでいくかに、試行錯誤を繰り返し続けた作品です。現在、2人の心にピタっと一つのイメージが合った状態ですが、今後、成長や変化を遂げていく作品になりそうで楽しみです。
 また2曲目に演奏する三善晃さんの作品は、譜読みをしながら私達は次はどんな音なんだろう、どんな響きなんだろうとゾクゾクしていました。曲が進むとともに、感情がセーブしきれずに、困惑するほどに次から次から湧いて出てきて、止まらなくなる感覚を初めて味わいました。きっと音楽がそうなるようにと、この音たちには不思議な力が秘められていると感じます。
 溢れだす音たちを、垂れ流すことなく、抑えることなく、それぞれの存在意義を確立させるような演奏を目指していきたいと思っています。

▼プロフィール
東京藝術大学器楽科打楽器専攻学生時の同期であった、斎藤祥子と林瑞穂が2010年に結成。卒業後3年が経ち、邦人作曲家の作品を中心に現代作品を追究し、演奏したい、発展させ続けたいとの思いから“競楽IX”をきっかけに活動を開始する。ユニット名の東雲(しののめ)は、夜明けとともに東の空がわずかに白むころのことを指し、言葉の響きの美しさと、私たちにとっての新たな挑戦の第1歩をイメージし名付けた。2011年3月11日に、東雲打楽器二重奏第1回コンサートを予定している。

“競楽IX”本選出場者紹介〜中田 麦


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
中田 麦(マリンバ)Baku NAKATA

 私は、子供の頃からマリンバの現代作品に触れる機会には恵まれていましたが、それらの作品を全然良いとは思いませんでした。こんな曲を弾いていったい何の意味があるんだろう、と疑問に感じていました。まったく面白くありませんでした。
 ところが、15歳の時に武満徹の映画音楽を聴いて強い衝撃を受けました。得体の知れない漆黒の闇から音が流れ出てくるようで、ぞっとしました。「現代曲ってなんか凄い」と思ったのです。ちょうど武満徹全集の刊行が始まった折で、それからは親が買った全集を貪るように聴きました。これがきっかけになって、他の現代作曲家の作品にも興味を持ち、どんどんその世界に引き込まれていきました。
 一柳慧《源流》は、まさにその頃に出会った作品で、私にとってかけがいのない音楽のひとつです。この作品には、人間の根源的なものに通ずる何かがある、と思わずにはいられません。本選会で演奏できることを何よりも嬉しく思います。

▼プロフィール
1986年奈良生まれ。6歳より和太鼓、9歳よりマリンバを始める。京都市立音楽高等学校(現・京都堀川音楽高等学校)を経て、京都市立芸術大学入学。第9回KOBE国際学生音楽コンクール打楽器部門最優秀賞受賞。第18回京都芸術祭音楽部門京都市長賞受賞。ソロやアンサンブルを中心に活動。作曲家からの委託による新作初演なども積極的に行う。大西由利子、種谷睦子、伊藤朱美子、宅間斉、山本毅の各氏に師事。

2010年12月8日水曜日

“競楽IX”本選出場者紹介〜松原 智美


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
松原 智美(アコーディオン)Tomomi MATSUBARA

 アコーディオンの祖先である笙が、18世紀にヨーロッパへ渡り、1820年代にアコーディオンとして「発明」されました。その後改良に改良をかさね、現在の形になり、今私が弾いているアコーディオンは、ピアノに匹敵する広い音域をもち、一つのボタンで和音も単音もだせるようになりました。
 予選で演奏した、Jukka Tiensuuの《Aufschwung》、林光さんの《蜜蜂は海峡を渡る》は、まだオリジナル曲が少ないアコーディオンにとって、また私にとっても大事な素晴らしい作品で、現代音楽コンクールという場で演奏でき、その結果本選まで進めたことを、大変嬉しく思っています。
 本選で演奏いたします、Luciano Berio作《Sequenza VIII(Chanson)》は、まさに改良の結果、多種多様な奏法が可能になった、このアコーディオンの全てを使って作られた作品、と言えるでしょう。
 そして・・・アコーディオンは歌う楽器です。
 人が歌うように蛇腹で息をし、指から言葉を紡ぎだして、Chansonを歌いたいと思います。

▼プロフィール
8歳よりアコーディオンに親しむ。高校卒業後、渡仏し2006年までパリ市立音楽院にて、マックス・ボネ氏に師事。同年、フォルクヴァング大学(ドイツ・エッセン市)・アコーディオン科に入学。御喜美江氏に師事。2005年UNAF全仏アコーディオンコンクール第2位。2010年第5回JAA国際アコーディオンコンクール第3位。読売日本交響楽団定期演奏会、「御喜美江アコーディオンワークス2010」に出演。

“競楽IX”本選出場者紹介〜會田 瑞樹


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
會田 瑞樹(ヴィブラフォン)Mizuki AITA

 憧れだった「競楽」本選出場を心から嬉しく思っております。現代邦人作品の魅力を多くの方々に知ってほしい・・・そんな思いを抱きながら日々精進して参りました。このステージを、思う存分楽しみたいと思います。
 今回演奏致します松村禎三作曲《ヴィヴラフォーンのために》は2002年、私の師匠である吉原すみれ先生の委嘱により作曲、献呈された作品です。《阿知女》《交響曲第一番》など、松村先生の作品は打楽器の咆哮が印象的に用いられていますが、この作品は松村先生にとって、最初で最後の打楽器独奏のための作品となりました。若くして肺結核を患い、生死の境を彷徨いながら奇跡的な復活を遂げ、多くの名作、そして多くの後進を世に送り出した松村禎三先生の遺産は計り知れません。本作品は、松村芸術の集大成ともいえる、深い精神性と澄み切った音世界に満ちています。私はこの作品に向き合う度に、身の引き締まる思いでいっぱいになります。ひとつひとつの音は魂に満ち溢れ、意思 が刻まれています。会場の皆様とともに、至高の松村芸術の神髄にふれる事が出来ますように・・・そして、天国にいらっしゃる松村先生のもとに、熱き魂の響きが届きますように・・・

▼プロフィール
1988年宮城県仙台市生まれ。仙台第二高等学校卒業。現在、武蔵野音楽大学ヴィルトゥオーソ学科に在学中。第11回万里の長城杯国際音楽コンクール第2位(1位なし)また、滋賀県において開催されたびわこミュージックハーベストに参加、最優秀受講生におくられる「ハーベスト賞」を受賞。これまでに荻窪音楽祭、宮城県庁ロビーコンサート、日本財団ロビーコンサートおいてマリンバ、パーカッション演奏を行い好評を博した。打楽器・マリンバを佐々木祥、星律子、吉原すみれ、神谷百子、藤本隆文、有賀誠門の各氏に師事。

2010年11月30日火曜日

高嶋みどり作品リハ中

今夜の室内オーケストラの新地平 2010年11月30日(火)19時開演 
めぐろパーシモン大ホール
湯浅譲二、高嶋みどり、橋本信、松永通温、南 聡 
高嶋みどり作品リハーサル中です。

2010年11月29日月曜日

室内オーケストラの新地平〜作曲:高嶋みどり



高嶋みどり作曲《Baby  Universe  II 》


昨年、日本的情念の非常に濃厚な <室内歌劇 金剛蔵王> を作曲した。
その反動 というわけでもないが、この <Baby  Universe  II >では、湿度のない世界、ミクロの<点>しかない世界、素粒子が浮遊しているような(素粒子が何かよくわからないのだが)世界、・・・・ を描いてみた。地獄的な暗黒ではなく、何もない暗黒、空間もあるのかどうかすらわからない、何を持ってその輪郭とするのかもわからない <宇宙>の 獏とした無機的な世界、けれど確実に<ある>らしい世界 ・・・・世界と言っていいかどうかわからない、空間と言っていいのかもわからない、・・・だから宇宙と言うのかも知れない・・・ 何か<もの>のような あるような ないような <もの> でないような・・・・、曲です。ともかくも 在る 世界・・・・を書いた・・・ 曲、です。


かつてない構造への挑戦も試みてみたいと思ったが、音がひとたびなり始めると必ず形が生まれてしまうし、在る、という事は 形を持ってしまうわけだから、形の見えない宇宙にもこの曲にも結局形はあるわけで、・・・だから・・・だから何なんだ・・・などと、支離滅裂な事を考えながら作曲した 曲です。


そして、始めから目をこらして聴いていただきたい曲でもあります。
始めに奏でられるべき 音楽は はたして 何だったのか、耳をこらして 両眼を見開いて、聴いていただきたいと思います。


弦楽器の弓を縦に運弓する奏法や、sul tastoのfによる(pではない!!)奏法での音色も多様した。Flや Fagの 特殊奏法、ピアノコンチェルトのようなピアノの活躍等、演奏家の名人芸も見せ場である。


・・・・というような曲です。大雑把に言えば全体を通して、無機的、金属的、極小の点の集合であるように非常に短い音 で形作られている曲 と言えるかもしれない。


後半で、美しいがはかなくて、憂いがあるようで無機的な印象的なフレーズが奏でられる。 これが何なのかは、聴衆の皆様の想像力にお任せしたいと思う。


・・・かつて私が書いた曲の中で最も音量の少さい曲、でもあります。
スコアはかなり<真っ黒>なのですが。
随分タイギョウに演奏している様なのに 微かにしか音が聞こえてこなかったり、真っ黒なスコアなのに、みんなで演奏しているのに・・・・聴こえなかったり・・・・そんなトリックアートのような世界でもあります。

JSCMユース・チェンバー・オーケストラ〜 指揮:安良岡章夫

湯浅譲二作曲《7人の奏者のためのプロジェクションズ》

1955年に発表、同年7月12日「実験工房室内楽作品演奏会」にて初演。 
私は30年以上前、学生時代ににこの作品を録音で聴き、
その響きに心を奪われた記憶がある。
そこにはある「共感」するものがあったと記憶している。
それは当時、能を中心とした日本の伝統音楽に熱中していたため、
この作品の響きに日本的なものを見出したのであった。

湯浅先生は小学生の頃、ピアノと共に宝生流の謡を稽古された。
高著「人生の半ば」によればこの作品の最終楽章は、
能の囃子から序の舞、大ベシ(天狗の出の囃子)等が
ゼスチュア的なパターンとして引用されているとのこと。
そして「三ツ地」というリズムパターンに言及され、
この楽章の時間構造について述べられている。
また、第二楽章や第五、第六楽章の静的な音世界は、
「非連続な、流れないスタティックな時間」(「人生の半ば」による)を強く感じさせ、 
これらは西洋音楽とは異なるものが感じられる。

しかし、12音技法で書かれたこの作品の素晴らしさは、
日本的な素材を含みながら、その効果を狙うなどという次元とは無縁の、
極めて純度の高い、厳しい音の世界である。
リハーサルの初日に、第一楽章の音を出した途端に、
失礼ながらその後の湯浅先生の作品を多く聴いてきたとは言えない私ではあるが、
その音色感にすっかり魅了されてしまった。
それは演奏の現場に居てはじめて分かるものかも知れない。
それは7人の若い奏者の面々も感じられたと思う。
ともかく今回、演奏の機会を頂き真に光栄である。

さて、作品のことについて述べるのはこの位で止めようと思う。
聴衆の皆さんがどのようにお聴きになるか、楽しみである。
いや、演奏する側も聴衆としての耳を持たねばなるまい。
そのことを世阿弥は「離見の見」と記しているのだが。

2010年11月25日木曜日

協賛公演=ISCM海外支部との国際交流

<日本・ポルトガル交流2010演奏会>
Sond'Ar-te Electric Ensemble 特別来日公演
日本・ポルトガル修好150年記念文化交流

日本現代音楽協会創立80周年記念
 Miso Music 創立25周年記念

本ブログで9月に紹介したリスボン<MUSICA VIVA 2010>で大活躍だった気鋭の室内アンサンブル=Sond'Ar-te Elaentric Ensembleが、この12月に初来日となります。下記の公演が当協会創立80周年記念
事業協賛公演になっています。事実上のISCMポルトガル支部であるMiso Musicと日本支部=JSCMの国際交流イベントです。現音の主催公演と併せて、どうぞご注目・ご来場ください。


日本=ポルトガル交流2010演奏会
〜Sond’Ar-te Electric Ensemble 特別来日公演〜
(日本=ポルトガル修好150周年記念文化交流)
主催:日本=ポルトガル交流2010実行委員会 
   洗足学園音楽大学 / 大学院
後援:在日ポルトガル大使館
協賛:日本現代音楽協会(創立80周年記念事業協賛公演)
助成:財団法人 ローランド芸術文化振興財団

第1日 = ワークショップ2010年12月18日(土) 17:00開演
洗足学園音楽大学 ビッグマウス
(溝の口キャンパス・新校舎ブラックホール1階)

セッション 1 /“V-drums”ワークショップ
V-drums 即興演奏 : 関 聡 (大学院1年生)
ゲスト : ミゲル・アズギーメ(作曲家)
ナヴィゲーター : 松尾祐孝(作曲家/本企画実行委員長)

セッション 2 /“クラリネットとエレクトロニクス”
〜ミゲル・アズギーメとヌノ・ピントと共に〜
1) 大学院クラリネット専攻生をモデルにしたワークショップ
2) ヌノ・ピント氏による
 ミゲル・アズギーメ作品 “No Oculto Profuso”の演奏

第2日 = メインコンサート
Sond'Ar-te Electric Ensemble 特別来日公演
2010年12月19日(日) 17:00開演
洗足学園音楽大学 ビッグマウス
(溝の口キャンパス・新校舎ブラックホール1階)

1) 門脇 治 ...scape... - 日本初演 –
2) 蒲池 愛  Fairy Circle - 日本初演 –
3) 松尾祐孝  A Double Fiber of Resonance
       – Miso Music委嘱作品/日本初演 –
4) 三枝木宏行  Le paradis embouteill
è  - 世界初演 –
V-drums 助演: 関 聡 (洗足学園音楽大学/大学院1年生)
5)  Miguel Azguime – Derrière Son Double
       - Casa da Música委嘱作品/日本初演 -
viola 助演 : 小野美子 (洗足学園音楽大学/大学院修了)
6) Cadavre Exquis  - Miso Music創立25周年記念作品日本初演 -
〜18人のポルトガルと日本の作曲家による記念共作作品〜

演奏:Sond'Ar-te Electric Ensemble
http://www.misomusic.com/ingl/crea/sondartei.html
指揮:Pedro Neves
エレクトロニクス制作:Miso Stusio
エレクトロニクス協力:Oasis Sound Design Inc.
洗足学園音楽大学/音楽・音響デザインコース

入場料:ワークショップ (12月18日
 ):全自由席1,000円
    メインコンサート(12月19日):全自由席2,500円
               通し券(12月18日&19日)    :全自由席3,000円 
    洗足学園音楽大学演奏部で前売り中

♪洗足学園音楽大学演奏部
☎044-856-2981(平日10:00〜17:00) E-mail: ensou@senzoku.sc.jp
♪洗足学園音楽大学 www.senzoku.sc.jp
♪日本=ポルトガル交流2010実行委員会(実行委員長 : 松尾祐孝)
☎03-3748-0303  Fax:03-3748-0330


2010年11月24日水曜日

室内オーケストラの新地平出品〜作曲家:橋本信



私の好きな音楽家(好みというのは結構その人の本質にかかわっているとおもいますので。。)


エリック・サティ、ドビュッシー、ラヴェル、ウェーベルン、イ・ユサン、デュティユ、武満 徹、三善 晃、
バッハ、ヴィバルディ、ジョスカン・デ・プレ、
マイルス・デイビス、スティリー・ダン、ビートルズ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ガロート、ヴィラ・ロボス、ピアソラ、
コール・ポーター、バート・バカラック、ミッシェル・ルグラン、ヘンリー・マンシーニ、ドン・セベスキー等


これらの方達以外の音楽も聴きますが、私は上記の人たちの音楽を全く同じに聞いており、ジャズだとかクラシックだとかといった聞き方はできるはずもなく当然のことですが調性だとか無調だとかといったことは私にとってはどうでもよいことであり、調性があるから保守的だとか無調だから新しいとも思えない訳です。(こんなことをいっている自分自身むなしくも有りますが)
こんな私ですので、私が目指す音楽のスタイルはこれらの人たちの音楽が私の血となり肉となり自分の魂の形となり一つの音像(楽曲)として表現できればと思いつつ日々生きております。


あえて言わせて頂ければ違ったスタイルのポップミュージック、バーのバックグランドミュージックにでもなりえる「ゲンダイオンガク」といった感じでしょうか。
最近時々、22世紀、23世紀にはどんな音楽が聴かれているのかなとふと思う今日このごろであります。
今回の曲ではまだまだ、吹っ切れていないことが多いのですが、今回のことをこれから曲作りのきっかけにしたいと思っております。


橋本作品公開リハーサル風景。橋本会員の話に耳を傾けるオーケストラメンバー。


〈協創 新しい音楽のカタチ 現音・特別音楽展2010〉「室内オーケストラの新地平」
2010年11月30日(火)19:00開演 めぐろパーシモンホール大ホール


(1)湯浅譲二/7人の奏者のためのプロジェクション
(2)橋本 信/Sky and Bay 
(3)南  聡/昼Ⅱ 
(4)松永通温/ハープと室内オーケストラのための三章 
(5)高嶋みどり/Baby UniverseⅡ 

指揮:北爪道夫(3)、安良岡章夫(1)(4)、松尾祐孝(2)(5)
管弦楽:JSCMユース・チェンバー・オーケストラ
ハープ独奏:平野花子

電子チケットぴあ購入ページ

2010年11月20日土曜日

JSCMユース・チェンバー・オーケストラ〜ハープ独奏:平野花子


こんにちは。ハープの平野花子です。
11月30日「室内オーケストラの新地平」にソリストとして参加できることを本当に光栄に思っています。
初演作品にソリストとして関わるのは初めてなので、今からドキドキワクワクしています。


実は、祖父と母が現代音楽の業界にいるため、子どものころからよく現代音楽を聴いていました。
母が練習しているのをBGMにして遊んだり、お昼寝をしたり。
また、母に連れられてリハーサルやコンサートなどにお邪魔して。


今にして思えばなんて贅沢な子ども時代だったんだろうと思いますが、
残念ながらあまりにも小さい時の事で殆ど覚えていません。
この記憶力の悪さが憎い!!本当にもったいない話です。


閑話休題して、話題をコンサートの方に戻します^^
先日、さっそくリハーサルが行われました。
とても和やかな雰囲気ながら、安良岡先生の的確な指揮と適度な緊張感のもと、実り多い時間を過ごしました。
本番までにこなすべき課題も見えたので、しっかり、そして楽しんで練習します!


祖父の曲なので、私があまり言うのも手前味噌のようでなんですが、とっても綺麗な曲です。
聴いてくださるみなさまに、「ああ、良い曲だったなあ」と思っていただけるよう(間違ってもソリストのせいで台無し!なんてことにならないよう)、がんばります!


▼紀尾井ニューアーティストシリーズ
第21回 平野花子(ハープ)
2010年11月29日(月)19時開演(18時30分開場)
紀尾井ホール
全席ご招待(お申し込みは締め切りました)

フランシスク(グランジャニー編):「オルフェの宝」よりパヴァーヌとブランル
カゼッラ:ハープソナタ Op.68
サルセード:古代様式による主題と変奏曲
バッハ(オーウェンズ編):無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番BWV1004よりシャコンヌ
パターソン:蜘蛛
フォーレ:即興曲

主催:新日鉄文化財団

チラシはこちら

2010年11月17日水曜日

JSCMユース・チェンバー・オーケストラ〜塚越慎子

こんにちは。打楽器の塚越慎子と申します。
エラそうに「打楽器」なんて言っていますが、普段は“鍵盤”打楽器ばかりを演奏しています。


でも、、、


ある作品で、小太鼓も演奏します。
とってもレアな姿…


さて今回の演奏会、打楽器奏者は2人。
関くんと一緒に、舞台後ろのほうで奮闘中です。


現代音楽では、打楽器を多く用いる作曲家も多く、1人で何種類、何十種類もの楽器を担当します。


今回も、例外ではなく…


関くんと私、いくつの楽器を演奏するか、ぜひ演奏会で数えてみてください!




塚越慎子オフィシャルウェブサイト

2010年11月16日火曜日

アンデパンダン展レポート〜どってん博物館 高橋若菜

どってん博物館のモットーでのひとつ、「おもしろい現代曲を広める」があります。
今回、おもしろい現代曲たちに沢山出会うことが出来、
そして、おもしろい曲を沢山の人々の前で演奏することが出来、
とても貴重な体験をすることが出来ました。
まだまだ、眠っている現代曲がまだまだ沢山あるのでは?
と、思うとワクワクします。


演奏に関しては、
いつもは搬入に苦労するぐらい沢山の量と大きな打楽器を持ち運ぶのですが、
今回、小物打楽器のみということで、
かばん一つで会場入りが出来たことが、嬉しかったです(笑)
現代曲といえば、堅苦しいイメージがありますが、
近藤さんの曲は、堅苦しいというよりは、
川が流れるような穏やかな部分や、
体が勝手に動き出すようなウキウキする部分もあり、
非常に、馴染みやすい曲でした。


私個人的には、
現代曲も、一般の人が、口ずさんでしまうような身近な音楽になって欲しい!
と、思います。(価値が下がりますかね?(笑))


〈協創 新しい音楽のカタチ〉現音・特別音楽展2010「アンデパンダン展 第2夜」
2010年11月10日(水)東京オペラシティリサイタルホール
近藤浩平作曲
中島久美(ヴァイオリン) 
打楽器アンサンブル「どってん博物館」高橋若菜・渡邉達弘・正木恵子