2009年11月7日土曜日

この10月から11月にかけてメチャクチャ忙しかった。演奏会があれば、リハもあり、書き直しは出てくるは、別作品の作曲ありと時間との闘いであり、今も続いている。 
 10月10日に岡山ルネスホールでヴァイオリン独奏作品<プレゴーン>の日本初演。ヴァイオリン奏者の相川麻里子さんを連れてとんぼ返りした。相川さんは15才の時からから知ってはいたが、大きく成長され好演された。有り難う。 
 10月19日には6人のリコーダー奏者のための作品<ゼピュロス I>の世界初演が東京錦糸町のトリフォニー小ホールあった。演奏はNHK趣味悠々でおなじみの吉澤実さん主宰La Strada。日本・ロシア音楽家協会というのがあって、僕はここの作曲部会長でもあるのだが、会員である吉澤さんとの共同企画で5作品の新作お披露目となった。日頃現代音楽には余り馴染んではおられないはずの奏者の皆さん頑張りました。5作品とも本番最高の演奏となりました。 
 10月23日はサントリーホールローズホールで<時の庭>ー尺八・ヴァイオリン・コントラバスによる、3つの尺八本曲を取りまく響きの交わりーの再々・・演があった。尺八/田嶋直士、ヴァイオリン/河村典子、コントラバス/白土文雄の3氏による。これは2000年にスイスで初演されたものであるが、その後あちこちで演奏されている。今回も東京のあと29日に大阪で2回公演があり、大阪に出かけた。何回も再演されるとその都度それぞれ異なる表情を見る事が出来る。 
 知人宅に泊まり翌日奈良・浄瑠璃寺へ出かけた。仏像の歴史に必ず登場するお寺である。国立博物館の正倉院特別展にも出かけたが、人人人・・・ メインの琵琶以外は全く見えず早々退散した。 
 11月3日は<ゼピュロス I>の再演である。初演の反省を元に直しを入れた。骨組みが明快になり、ブレスも楽になった事が聞き取れた。これで良かったと思う。 
 この作品を元にしてチェロアンサンブル用に翻案したのが来年現音チェロアンサンブルで初演される<ゼピュロス II>である。編作を越えての翻案。乞うご期待。 
 それからようやく11月11日現音アンデパンダンである。フルートとピアノのための作品、タイトル<風の門>。初演は今年の3月末に鎌倉で行われ、その後大阪、北九州で再演されている。今回は演奏メンバーが変更となり、フルート/千葉純子さん、ピアノ/中川俊郎さん本番が楽しみである。今展開しつつある「フリーズ」書法の諸相の試しが基本にある。それに加えてタングラムを始めとする現代奏法が取り込まれている。20世紀後半サウンドから別な世界への模索の一環である。 
 「世界を見る、見るために書く」。これは僕がずっと維持して来た姿勢である。 「見て来た結果を書く」のではなく「見るために書く」「見たくて書く」、<風の門>も同じである。 
 写真は<風の門>の最終ページです。

正会員:遠藤雅夫
2009年11月11日(水)
●アンデパンダン展 第1夜
遠藤雅夫/〈風の門〉フルートとピアノのために(2008)
千葉純子(フルート) 中川俊郎(ピアノ)

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