2009年11月3日火曜日

70年目のケージレシピ


tt事務局員です。
 レコードを聴くときに、回転数の設定を間違えて、アイドルの歌声が野太くなってしまった!とか、早回しシンフォニーになってしまった!なんて経験は無いでしょうか!? 「電楽」で上演するジョン・ケージの《心象風景第1番》は、そんな感じの作品なのです。
 世界最初のライヴエレクトロニクス作品とも言われるこの作品。21世紀の今つくり上げるのは結構大変です。
 ではそのレシピを紹介しましょう。
 まず、周波数435Hzと84Hzの正弦波*1をひたすらレコード盤に録音します。この時点でもう大変です! レコード盤をプレスしてくれる業者さんは今では少ないですしね。
 レコード盤は33回転で録音します。レコードプレイヤーに盤を乗せ、33回転で再生すると、当然ながら、ひたすら「435Hzのポーーーー」って音が鳴るわけですが、さてここで回転数を78回転にしちゃいます! すると音程がキュイーンと上がって、最終的に「1000Hzのポーーーー」に到達するというわけです!
 しかし! 78回転モードがある手頃なレコードプレイヤーを探すのにも一苦労なわけです! 今回は株式会社コルグにご協力頂きました。ありがとうございました!
 今の時代、この程度のことならパソコンやシンセサイザーで簡単に出来てしまいます。実際、この作品をシンセサイザーで演奏したCDもリリースされています。
 でも、ケージが考えた事をやりたいじゃないですか! 聴きたいじゃないですか! 今週金曜日、いよいよ本番です。是非アサヒ・アートスクエアで体感してください!

2009年11月6日(金)19時開演
●電楽IV〜ライヴエレクトロニクス過去形/未来形
ジョン・ケージ/心象風景第1番(1939)
岩崎真(Player 1 レコードプレーヤー) 山田香(Player 2 レコードプレーヤー)
牧野美沙(Player 3 打楽器) 山本清香(Player 4 ストリング・ピアノ)

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