2010年12月9日木曜日

“競楽IX”本選出場者紹介〜東雲打楽器二重奏(斎藤祥子・林瑞穂)


現代音楽演奏コンクール“競楽IX”ファイナリスト紹介
東雲打楽器二重奏(斎藤祥子・林瑞穂)

 今回1曲目に演奏します高橋悠治さんの作品は「どのように解釈し表現するか」の多くが演奏者に委ねられています。その数ある選択肢の中からどう音を紡いでいくかに、試行錯誤を繰り返し続けた作品です。現在、2人の心にピタっと一つのイメージが合った状態ですが、今後、成長や変化を遂げていく作品になりそうで楽しみです。
 また2曲目に演奏する三善晃さんの作品は、譜読みをしながら私達は次はどんな音なんだろう、どんな響きなんだろうとゾクゾクしていました。曲が進むとともに、感情がセーブしきれずに、困惑するほどに次から次から湧いて出てきて、止まらなくなる感覚を初めて味わいました。きっと音楽がそうなるようにと、この音たちには不思議な力が秘められていると感じます。
 溢れだす音たちを、垂れ流すことなく、抑えることなく、それぞれの存在意義を確立させるような演奏を目指していきたいと思っています。

▼プロフィール
東京藝術大学器楽科打楽器専攻学生時の同期であった、斎藤祥子と林瑞穂が2010年に結成。卒業後3年が経ち、邦人作曲家の作品を中心に現代作品を追究し、演奏したい、発展させ続けたいとの思いから“競楽IX”をきっかけに活動を開始する。ユニット名の東雲(しののめ)は、夜明けとともに東の空がわずかに白むころのことを指し、言葉の響きの美しさと、私たちにとっての新たな挑戦の第1歩をイメージし名付けた。2011年3月11日に、東雲打楽器二重奏第1回コンサートを予定している。

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