2010年4月28日水曜日

80歳の誕生日をお祝いしました!


tt事務局員です。

1930年4月28日に「新興作曲家聯盟」の名で発足した当協会は、本日、丁度80年という記念の日を迎えました。
1930年といえば、サッカーW杯が初開催されたり、冥王星が発見されたり、日本では鉄道業界でようやく「メートル法」が採用されたり…。
80年の年月を経た現在「W杯出場」が目標だった日本サッカーはW杯ベスト4を目指し、冥王星は惑星ではなくなり、はたまた鉄道網はICカードで自由に乗降できるようになりました。
今は想像も出来ないような事も、夢のような話も、思い描いて、実行して、続けて行く事が大切なんだなと、しみじみと思います。
今日は月に一度の理事会でもありました。直近に控えた80周年記念事業についての真剣な議論は勿論、未来の現音について、理事ひとりひとりが「夢」を語る姿もまた素晴らしいと感じました。

明日は創立29,222日目。また一日一日の歩みを大切にしたいと思います。

【記念写真】後列左より、金子仁美、安良岡章夫、神津裕、松尾祐孝、末吉保雄、佐藤昌弘、三枝木宏行、宮崎滋、佐藤眞。前列左より、中川俊郎、湯浅譲二、坪能克裕、福士則夫。

4月28日は「現音・創立記念日」です


1930年4月28日、現音は創立されました。今年は丁度80歳、「傘寿」です。その歴史は、本現音HPの『現音の歴史』に詳しく紹介してございます。全部が記載されているわけではありませんが、行間も激動の日々がありました。
第二次世界大戦では、私たちの国際現代音楽協会日本支部が「除名」になり、戦後「復活」するという大きな事件もありました。平穏な年などなく、毎年数々の課題を乗り越えて、現在に至ったわけです。
初期の頃の会員諸氏やご支援賜った多くの人びとは鬼籍に入られ、設立当時の状況を知るひとは少なくなりました。しかし設立時のコンセプトは現在も受け継がれ、新しい音楽を生みだし発表することへの意欲は、益々旺盛になった感があります。これは作曲家だけの努力だけではなく、優れた演奏家諸氏、音楽関係者・団体、助成・支援団体などの温かいご理解の賜物でもあります。特に私たちの主催音楽会にお出掛けいただき、ご批判・ご支援いただいている多くの人びとのお力があってこその80年だと、私たち会員は感謝申し上げております。
今秋から来年にかけて「現音・創立80周年記念」の、企画が開始されます。いや既に今秋に向けたワークショップなどが始まっています。現在の社会情勢も考え、大規模なイベントではありませんが「未来」を見据えた堅実な企画が展開されるはずです。みなさまもどこかに接点をお持ちいただいて、是非ご参加いただきたいと私たちは願っております。
社会全体からは、小さな団体の小さな歩みかも知れません。しかし、現在は社会のなかで生まれ、揉まれ、育つ芸術に“強さ”があるとも言われています。
みなさまと共に歩んで参りました団体です。これからも宜しくご指導、ご鞭撻を、お願い申し上げますと共に、これまでご支援賜りました、数え切れない多くの人びとの御心に、深く御礼申し上げます。

日本現代音楽協会会長:坪能克裕

2010年4月13日火曜日

今年は競楽の年!


隔年で開催している演奏コンクール「競楽(きょうがく)」。今年はその開催年です!
前回優勝したフルートの増本竜士さん、第二位の「坂本ゆり子・吉川由里子二十絃デュオ」、第三位の箏の田村法子さんは、先月開催した現音主催のコンサートシリーズ〈現代の音楽展2010〉で現音デビュー! その公演は話題を呼びました。
増本さんが出演した「世界に開く窓」、坂本さん、吉川さん、田村さんが出演した「箏フェスタ」は、音楽雑誌に批評が掲載される予定なので、是非ご注目ください!
競楽出身者の活躍は目を見張るものがあります。今後もこのブログで紹介していく予定です。
ブログをご覧の演奏家のみなさんも是非競楽にチェレンジしてください!

2010年3月13日土曜日

現音でしかあり得ない!?多彩なプログラム! <コンチェルトの夕べを>お聞き逃し無く!


昨日のニュースで発表されました、文部科学大臣賞を箏の吉村七重先生が受賞されました!!
当協会2009年度事業の最終公演=<コンチェルトの夕べ>が、いよいよ迫ってきました。
山下一史指揮/桐朋学園オ大学オーケストラによるリハーサルも、日に日に熱を帯びてきました。去る3月11日には公開リハーサル形式によるワークショップも行われ、作曲家自身の作品のコンセプトや聴き所の解説を交えてリハーサルを兼ねたサンプル演奏が披露されて、各作品の音楽性と個性が浮き彫りになりました。その内容は、日本でしか、そして現音でしかあり得ない、痛快なまでに素晴らしい多彩さで、本番に向けてワクワクしている出品者自身の松尾祐孝です。
それにしても、全くの偶然で独創性満載の協奏曲作品4曲が並ぶプログラムになり、
その独奏者の陣容には、堤剛氏(チェロ/2009年度当協会公演芸術監督)、吉村七重氏(二十絃箏)、蛭多令子氏(ピアノ)、本條秀慈郎氏(三味線)という多士多才が勢揃いして、これは正に“現音創立80周年記念プログラム”と言えるようなラインナップになりました。
さて、2つ目のビッグニュースです。その独奏者陣のお一人、吉村七重さんに[朝日現代音楽賞]が贈賞されることが決定しました。拙作「フォノスフェール第4番-a〜二十絃箏と管弦楽の為に」の初演へのご出演が、はからずも受賞披露演奏のようなタイミングになり、とても嬉しく思っています。
このニュース以外にも、
1) 現音創立80周年(1930年創立)に開催の<現代の音楽展>最終夜!
2)矢代秋雄「チェロ協奏曲」の、初演(1960年、チェロ/堤剛、会場/杉並公会堂)から50年目の、同じ独奏者と同じ会場の組み合わせでの演奏!
3)二十絃箏誕生40周年の記念年度に二十絃箏協奏曲を発信!
等々、トピックス満載です。
“現音でしかあり得ない!?多彩なプログラムによる<コンチェルトの夕べ>を、
どうぞお聴き逃し無く!
(記・松尾祐孝/<コンチェルトの夕べ>出品者)

2010年3月8日月曜日

プログラム訂正のお詫び

3月6日(土)は<箏フェスタ>
にご来場頂きありがとうございました。作曲家の個性、演奏家の個性、両面が際立つ内容で
活気溢れるの盛会となり、有意義な公演が実現いたしました。
篠田大介氏 星月夜で演奏してくださった吉川由里子さんのプロフィールが
掲載されておらず、大変申し訳ございませんでした。
お詫び申し上げます。
日本現代音楽協会
吉川由里子 (箏)
正派音楽院を首席で卒業。同研究科終了。
2004年文化庁新進芸術家国内研修員終了。
2007年賢順記念全国箏曲祭コンクール奨励賞受賞。
2008年日本現代音楽協会 朝日新聞社主催
「第8回現代音楽演奏コンクール 競楽Ⅷ」に二十絃箏二重奏
「南聡/昼Ⅳ」で第2位受賞

2010年3月4日木曜日

箏フェスタ 変革と調和 糸が織り成す世界


広報部の蒲池愛です。
3月6日(土)17時から洗足学園前田ホールにて箏フェスタで演奏していただくのですが、私の曲は今回20絃箏とライヴエレクトロニクスの為の曲です。
学生時代まったく邦楽器に興味のなかった私でも吉村七重先生と石垣清美先生の現音開催箏ワークショップに参加いたいしましてこの20絃箏の魅力と可能性をとても感じました。
そして20絃なのに本当は21絃あるというこれまた日本人らしい言い方がとても気に入り、21本目には音を止めるだけ為の役割ではなく、そこに赤いレイザーセンサーを渡して演奏者が演奏したフレーズや音を演奏者自身がバーチャル絃を操って制御するというコンセプトで作曲しました。他20絃すべてにもセンサーをつけて弾いた情報が感知できるようになっています。うまく行くかはわかりませんが(笑)
特設ライヴエレクトロニクスステージでは私の作品と山本悦子氏の華やかな作品そして
メインステージでは篠田大介氏、岡坂慶紀氏、渋谷澤兆氏、遠藤雅夫氏、佐藤昌弘氏、
そして箏アンサンブルに新風を巻き起こした夏田昌和氏の作品、三木稔氏、田丸彩和子氏、最後は20絃箏ができて40周年のお祝いにふさわしい華やかでダイナミックな松尾祐孝氏の作品です。
あさってなんですが、ちょっと雨模様になりそうですが、会場の中は華やかな世界になっておりますので是非足を運んでいただけますようどうぞ宜しくお願いいたします。

2010年3月1日月曜日

「世界に開く窓」出演:増本竜士(フルート)

「いつかは現代音楽協会から演奏依頼があるだろうな・・。」と思っていた(恐れていた)ある日に3月3日の演奏会についての連絡があった。
 
2009年夏に日本に完全帰国し、最近はオーケストラの演奏活動が多く、「ピッコロを専門的に勉強してきた」自負(・・があったりなかったり)をもって、在京・在阪のオーケストラに賛助出演しに駆け回り、各地でのコンサートもフルートだけでなくピッコロの演奏も混ぜたプログラムで演奏活動を行ってきた。
 
大型楽器の演奏家には申し訳ないのだが、「フルートもピッコロもひっさげて大変や〜」とオーケストラでの即戦力・特殊楽器(=ピッコロ)のスペシャリストとして「ひとつひとつの演奏での評判を大事にしていこう」と日々過ごしていたが、協会からの以来演奏曲目はなんとバスフルートとアルトフルートの為に書かれた もの。
 
「えーっと。楽器の調達の問題がありますので簡単にはお返事が出来ないのですが・・」と一度は答えたものの、現代のフルート吹きとしてオーケストラでのピッコロと現代音楽への既知と実践は必須条件と(個人的に)考えているので「(日程と楽器の調達を)何とかします!」と返事をしてしまった。
 
その電話の直後から不安は日に日に大きくなり、(なにせアルトフルートはオーケストラで何度か吹いたことはあるもののソロは初めて)とにかくフルート属の大型楽器アルトとバス・フルートの「特訓を開始せねば・・」とまず気が焦った。
 
皆さん。想像あるいは実践してみて下さい。
 
●普段使っているお箸を菜箸に代え、さらに細長くて重い金属製のものに代え、さらにはすりこ木あるいは麺打ち棒で麺類を食べる。
●あるいは一日中鉛筆ではなく鳥の羽の根元部分で文字を書く、太マジックだけで書く、筆ペンまたは筆で書く。などなど
 
「ね!考えただけで手が痛くなってきたでしょ?」(笑)
 
このように(・・どのように?)特訓開始当初はバスフルートの重量に、肩も手も疲労感に苛まれ、アルトフルートではやたら吹き込む息の当たるポイントの広がった音域コントロールに悪戦苦闘し、慣れきっていたフルートとピッコロの持ち替えとは段違いに難しい低音フルート属楽器に悩まされました。
 
そうこうするうちに低音フルート属の持つ柔らかな音色・響きを掴む事も出来はじめ、作品の持つ表現世界・立体的な音楽が見えてきた。
 
来週の演奏会にはサクソフォニスト並みの大きな楽器ケースをひっさげて会場に向かうことでしょう。
 
「現代の音楽」を演奏する際、その多様な世界観を表現するにあたり、従来のレパートリーでの演奏よりも(いわゆる)普通のフルートでは、際限のない閉塞感だったり、深遠な表現と多彩な音色を意識する。
他方、ピッコロでは破壊的なまでの運動性・その高い音域から生まれる緊張感とそれに対比する柔らかな低音(木管らしい柔らかな音色)を意識して前面に押し出すことが多い。
 
今回の演奏会ではクリスチャン・カロン作品ではテープ録音に内在する音素材にどこまでも溶け込む「音色と息によるノイズ」を、湯浅作品ではどこか遠くから聞こえてくる朧ろげな「モノトーン的な立体感」を意識している。
 
低音フルート属での演奏にふさわしいこの2曲に「都市世界における閉塞的なノイズ」や「朧げな記憶による乾いた風景の具現化」などの(勝手に想像した)イメージをヒントにして表現をのせて演奏したいと思います。
 
目に見えない「風」やら「空気」あるいは「閉塞感」などを「音にしてみたらこんな感じでかな?」と譜読み中に考えてみたり、「どこまでも内に篭ってみるとどういう音が見えてくるのか?」などなど、作品の読解作業に「自己を知る・見つめる」ヒントが隠されてるような気もする。
 
和洋を問わず、どの文明にも存在する「笛」
今回自身も始めての試み・発見でもあったアルフルート・バスフルートの持つ音色感。
まさに風や空気の具現化といえる表現世界。それから柔らかで染み渡る郷愁的な音。作品の持つ魅力を存分に引き出し、多彩な表現をたっぷりとのせていきたい。
 
3日の演奏会は4曲とも個性あふれる作品ばかりです。願わくは私も聞きに行きたかったコンサート。是非とも応援と共に足を運んでくだされば!と思います。
 
「現代音楽」を同時代に生まれる芸術として共感してみるのって興味深い素敵な行動だと思います。
 
「モダンアート」まだまだ体験・経験する分野も事象もたっぷり残されているようです。
協会に感謝ですね。バスフルート本当に重いけど。。楽器調達大変だったけど。。(笑)

2010年2月16日火曜日

EPCoMワークショップ 小学校訪問レポート

EPCoMワークショップ 小学校訪問レポート
文責:松尾祐孝
(日本現代音楽協会/現代音楽教育研究プログラム研究部会長










皆さん、EPCoMってご存知ですか。Educational Program of Contemporary Musicの頭文字で、当協会の現代音楽教育プログラム研究部会の略称として使っています。この部会は、坪能会長の「現音・今昔」シリーズでも触れられている新しい創造教育を研究・実践・普及していく部会です。去る1月29日に、川崎市下の某小学校の4年生4クラスの授業にお邪魔をして、「音楽づくりワークショップ」を実施してきましたので、簡単にレポートいたしましょう。


[実施概要]
  参加メンバーは、私=松尾祐孝(ワークショップリーダー)と、EPCoM若手メンバーの西尾洋さん(サポーター)と田口雅英さん(サポーター)の計3名でした。早起き苦手人種の作曲家が朝早く8時半に小学校現地集合して、午前中45分授業4クラスをぶっ通しで頑張ってきました。
  事前に「何でも良いから自分の音を持ってくる」ことにしていて、その各自の音を活用しながら、短時間ではありましたが、アイスブレイク(全員で輪になって)〜自分の音の披露〜今日のテーマ発表「ロングトーンと同音連打」〜即興創作体験(松尾の指揮で全員一緒に即興音楽づくり)〜「ロングトーンと同音連打で音楽づくり」実践(3グループに別れて:各ブループのサポーター:田口、西尾、松尾)〜相互鑑賞会(3グループをそれぞれのステージを鑑賞)〜まとめ(鑑賞との連系の示唆)という進行で、各クラスとも楽しく盛り上がりました。
 西尾さん、田口さんも、「音楽づくり」のサポーター初体験とは言え、流石に作曲家の底力を遺憾なく発揮して、見事に生徒達をリードしていました。簡潔に言うならば、西尾グループは「連打パターンによる階梯導入〜全員のロングトーンによる音強変化によるクライマックス〜フェイドアウト」、田口グループは「連打の音回しと各人の音を聴き合いながらの音のやりとりの組み合わせ」、松尾グループは「ロングトーンによる導入〜連打による音回し〜全員のロングトーンによるクライマックス」というコンセプトが成立していました。

[鑑賞との連系]
  今般の学習指導要領改訂でも触れられている事柄ですが、「鑑賞との連系」は重要です。これが社会に浸透して行けば、一般大衆にとっても現代音楽が特別に難解なものではなくなる可能性があります。「ベートーベンの[運命]の出だし”ジャジャジャジャーン”だって、”ジャジャジャ”の同音連打と”ジャーン”のロングトーンの組み合わせだよ」という話に、生徒が興味津々で食いついてくれて嬉しかったです。


[給食]
 昼休みの給食をご馳走になりました。3人別々のクラスで4年生の教室で生徒と一緒にいただきました。昭和40年代の学校給食で育った私にとっては、
 うどんや焼きおにぎりが並ぶ給食は初体験で、とても美味しかったです。活発な生徒達はとてもお腹が空いていたらしく食欲も旺盛、みんな残さずきれいにたいらげていました。ご馳走さまでした!


[感想]
 専門的訓練を受けていない一般の小学生との音楽づくり体験は、久しぶりで新鮮でした。「人間の持つ根源的な表現欲求と先入観に全く捕われない表現方法の刺激的な出会いが、世界で一つの自分たちの音楽ステージを生み出していく様」は正に芸術創造の原点であると、あらためて感じ入りました。訪問した小学校は、全体の雰囲気が非常に健康的で明るく、先生方も熱心に真摯に何事にも取り組まれ、生徒も屈託なく明るく成長している印象を受けました。とかく学校教育、特に公立学校の荒廃が話題になる事も散見されますが、「まだまだ日本の学校は力があるぞ!」と思わせてくれた今回の学校訪問でした。先生方の弛まぬご努力が生徒の反応の端々に感じられ、感心しきりでした。我々も頑張らなくては!